ジェンダー平等

ウーマンリブとは?日本での運動は?フェミニズムとの違いも!

性別で格差を示す「ジェンダーギャップ指数」で、日本は146カ国中125位と下位に位置しています。(2023年)

ジェンダー平等が早急に求められる今、ウーマンリブという言葉に興味を持つ人も少なくありません。

今回はウーマンリブとは何なのかわかりやすく解説し、日本での運動についてもご紹介していきます。

さらに、よく似た言葉であるフェミニズムとの違いもみていきましょう。

ウーマンリブとは?わかりやすく解説

では早速、ウーマンリブとは何を示すのでしょうか?わかりやすく解説していきます。

ウーマンリブとは

ウーマンリブとは、1960年代後半から70年代前半にかけてアメリカで始まり、その後世界的に拡がっていった女性解放運動「ウィメンズ・リベレーション(Women’s Liberation)」を略した言葉です。

ウーマンリブ運動では、「女性=母性」「女性=尽くす」「女性=男性の補助」という性別の役割分担などの解放を求めました。

例えば、人工中絶を決定する権利、性暴力の撤廃、労働の男女平等などです。

スタートはアメリカですが、そこからフランス、ドイツ、日本などにも拡がり、世界中でウーマンリブ運動を行う女性が増えていきました。

日本のウーマンリブ運動

日本のウーマンリブ運動として有名なのが、1970年10月21日に行われたデモ活動です。

そこで先頭に立ったのは、「ぐるーぷ・闘う女」の代表である田中美津さんでした。

10月21日のデモで配られたビラには、「便所からの解放」と大きく書かれており、街行く人々に大きな衝撃を与えました。

ビラの内容は「男にとって女とは母性のやさしさ=母か、性欲処理機=便所か、という二つのイメージに分かれる存在としてある。」というもので、「女性とはこうあるべき」という女性像からの解放を訴えました。

さらに、約1ヶ月後の11月14日には東京渋谷で日本初となるウーマンリブ大会が開催されました。

大学生やOL、主婦など幅広い年齢層の女性がこの活動に賛同し、社会的にも大きな注目を集めました。

11月14日は「ウーマンリブの日」としても知られています。

多くの女性が声を上げるきっかけとなったウーマンリブ。

もし当時の女性が権利や自由を主張せずに、不平等な女性像のままで時代が進んでいたら…今もなお女性の立場が低い世界だったかもしれません。

ゾッとしますね。

これらの運動が現在のジェンダー平等に繋がっていることがわかります。

ウーマンリブとフェミニズムの違いは?

ここまでウーマンリブについて解説していきましたが、フェミニズムとはどう違うのだろうと疑問に思った人も多いと思います。

ジェンダー平等を語るうえで、必須となる言葉「フェミニズム」。

ウーマンリブと一体どう違うのでしょうか?

フェミニズムとは

フェミニズムとは、19世紀に始まった、女性をさまざまな性差別から解放することを目指す社会運動のことです。

女性が社会的にも経済的にも政治的にも、平等な権利を獲得し、自由に生きるという思想がこの運動の中心であり、そういった思想を持つ人を「フェミニスト」と呼びます。

フェミニズムの第二波がウーマンリブ

フェミニズムとウーマンリブの違いは、そもそも始まった時期が違います。

フェミニズムのほうが歴史が長く、ウーマンリブはその後に活動がスタートしています。

そのため、ウーマンリブは「フェミニズムの第二波」と呼ばれることもあります。

だからといって、ウーマンリブはフェミニズムの1種かと言うと、そうではありません。

フェミニズムは、女性参政権、高等教育権の獲得、性差別のない社会の実現など、女性が平等な権利を得られることを主張しました。

一方、ウーマンリブは性別によって生じる役割分担からの解放を強く主張した運動でした。

微妙な違いですが、これら2つは別の活動であることを覚えておきましょう。

実際にウーマンリブ運動の先頭に立った田中美津さんは、フェミニズムとウーマンリブの違いをこう語っています。

 「リブの考え方は『嫌な男からはお尻を触られたくないけれども、好きな男から触られるお尻は欲しい』というもの。『嫌な男から触られたくない』は誰もがそうなので運動の“大義”になる。一方『好きな男に触られたい』は個人の“欲望”。リブは大義と欲望の両方を大事にする」  

「でもフェミニズムは『好きな男に触られるお尻が欲しい』ということはあまり言わない。正々堂々、新聞の紙面に載っても恥ずかしくないような、誰もが納得するような“大義”の方が中心。リブのように両方を大事にすると反発を招く面もあり、運動としての展開がなかなか難しいところがある」

(引用:https://maidonanews.jp/article/13045543

ウーマンリブのほうがより女性の感情により一層寄り添っている、というイメージでしょうか。

「#MeToo」は現在のウーマンリブ?

では最後に、ウーマンリブ運動を彷彿とさせた2017年の「#Me Too」についてふれていきましょう。

「#Me Too」とは、セクハラや性的暴力など、性被害にあった体験を告発する際にSNSでつけるハッシュタグのことです。

この#Me Tooは2017年にアメリカで始まり、この流れに乗って日本でも多くの人が告発を行いました。

Me TooはSNSを飛び出し、大きなデモにも発展。

全世界に拡がりを見せ、「Me Tooは現在のウーマンリブ運動だ」と注目を集めました。

「#Me Too」では女性が被害を訴えるだけでなく、男性も性被害の告発を行ったのが特徴です。

男女分け隔てなく、被害を告発できるというのは、よりジェンダー平等に近づいているということです。

ウーマンリブ運動から約50年が経った今、「#Me Too」が大きく拡がったことはジェンダー平等が何歩も先に進んできた証なのかもしれません。

まとめ

今回はウーマンリブとは何なのかわかりやすく解説し、日本での運動についてもご紹介、さらに、よく似た言葉であるフェミニズムとの違いもみていきました。

ウーマンリブは、1960年代後半から70年代前半にかけて始まった女性解放運動「ウィメンズ・リベレーション(Women’s Liberation)」を略した言葉で、日本でも田中美津さんを筆頭に運動が始まりました。

ウーマンリブは「フェミニズムの第二波」と呼ばれますが、フェミニズムとは主張する内容に少し違いがあります。

「#Me Too」が話題になるなど、ジェンダー平等が進んできたとはいえ、まだまだ男女の間には格差が生じています。

まずは知るところからスタートさせ、ジェンダー平等への意識を高めていきましょう。

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LGBTQの旗「レインボーフラッグ」は24種類もある!色の意味を解説

さまざまなセクシュアリティを表す言葉「LGBTQ」には、象徴的な旗があります。

その旗はレインボーフラッグと呼ばれていますが、じつはいくつも種類があるってご存知ですか?

今回はLGBTQの旗「レインボーフラッグ」を24種類、さらに色に込められた意味もご紹介していきます。

LGBTQの旗「レインボーフラッグ」を24種類ご紹介!

では早速、LGBTQの旗「レインボーフラッグ」を見ていきましょう。

1.ギルバートベイカーのレインボーフラッグ

最初にご紹介するのは、レインボーフラッグの発案者であるギルバートベイカーが1番初めに作ったレインボーフラッグです。

色は8色あり、それぞれが意味を持ちます。

ピンクはセクシュアリティ、赤は人生、オレンジは癒し、黄色は日光、緑は自然、ターコイズはマジック、青はハーモニー、バイオレットは魂です。

ちなみに、ギルバートベイカーはアメリカのアーティストで、ゲイの権利活動家で政治家でもあった友人のハーヴェイミルクからの依頼をきっかけにこの旗の制作を行いました。

そこには「前向きで、私たちの愛を祝すもの」という願いが込められていました。

2.レインボーフラッグ(1978年から1999年)

1978年にハーヴェイミルクが暗殺されたことを受け、フラッグを使った活動が大幅に増加しました。

そこでピンク色を入手することが難しいことを知ったギルバートは、レインボーフラッグからピンク色を除いて7色の旗を制作しました。

3.現在のレインボーフラッグ

それ以降もLGBTQの活動において、レインボーフラッグの需要が高まり、より一層作りやすいようにとターコイズを除いた6色の旗が新たに作られました。

そのまま定着し、現在も6色のまま、多くの運動で使われています。

4.有色人種を含むレインボーフラッグ

有色人種を含むレインボーフラッグは、LGBTQの黒人などの有色人種が独特の課題を抱えていることを示すもので、2017年に作られました。

5.QPOCのフラッグ

次は、QPOCのフラッグです。

QPOCとは「Queer People of Color(有色人種のクィア)」を意味し、このフラッグは有色人種のクィアを象徴した旗として作られました。

ただし、誰がどんな経緯で作ったのかはわかっていません。

6.レズビアンラブリュスフラッグ

1999年に作られたレズビアンラブリュスフラッグですが、じつはあまり普及していません。

旗を作った人物はゲイ男性のショーンキャンベルです。

普及しなかった理由は、ナチスが「反社会的」とみなした個人を識別するために使った印の黒い三角形が含まれていたからだと考えられています。

7.リップスティックレズビアンフラッグ

リップスティックレズビアンフラッグは2010年に、ナタリーマクレイによって作られました。

ナタリーが人種差別で告発されて以降、使われていないデザインです。

8.レズビアンフラッグ

レズビアンフラッグは、2018年にリップスティックレズビアンフラッグを作ったナタリーが人種差別で告発されたことを受け、新たに作り直したレズビアンを象徴する旗です。

暗いオレンジには性別の不適合、中間のオレンジには独立、明るいオレンジにはコミュニティ、白には女性らしさとユニークな関係、明るいピンクには静けさと平和、中間のピンクには愛とセックス、暗いピンクには女性らしさという意味が込められています。

9.バイセクシュアルフラッグ

活動家のマイケルペイジによって作られたバイセクシュアルフラッグは、ピンクには同性の魅力、ブルーには異性の魅力、パープルには男女両方の魅力という意味が込められています。

10.パンセクシュアルフラッグ

パンセクシュアルフラッグは誰が作ったのか不明ですが、2010年からネット上で使われるようになり、拡がっていきました。

パンセクシュアルとは、男女という性別に捉われず、人を愛すことができる人々のことです。

11.ポリセクシュアルフラッグ

次は、ポリセクシュアルフラッグです。

複数のセクシュアリティを恋愛対象としているポリセクシュアルを象徴する旗として、2012年に作られました。

作成者はSNS「Tumblr」のユーザーと言われています。

12.デミセクシュアルフラッグ

次は、デミセクシュアルフラッグです。

デミセクシュアルは精神的な繋がりを感じる人に対してだけ、性的欲求を感じる人たちのことです。

デミセクシュアルは、アセクシュアルと通じるものがあるため、色はアセクシュアルフラッグと同じものが使われています。

13.アセクシュアルフラッグ

次は、アセクシュアルフラッグです。

2010年、他者に対して性的欲求を感じないアセクシュアルの意識を高めるために作られた旗です。

それぞれの色には、意味があります。

黒はアセクシュアル、灰色はアセクシュアルとデミセクシュアル、白はセクシュアリティ、紫はコミュニティを表しているそうです。

14.インターセックスフラッグ

インターセックスフラッグは、オーストラリアのインターセックス活動家であるモーガンカーペンターによって作られた旗です。

インターセックスとは「身体的性が男性、女性の中間もしくはどちらとも一致しない状態」の人を言います。

この旗には、「誤解や固定概念に依存することなく、人々がインターセックスの人々を表現するために使用できるイメージを作成したかった」という想いが込められています。

15.トランスジェンダーフラッグ

トランスジェンダーフラッグは、1999年にトランスジェンダーのモニカ・ヘルムズによって作られた旗です。

青は男性を、ピンクは女性を、白は中間または移行中の人を表しています。

16.トランスジェンダーフラッグ(別パターン)

トランスジェンダーを示す記号を1つに合体させたマークを中心に置いた、別パターンの旗も作られています。

17.前進のフラッグ(ダニエルクエーサー)

次は、前進のフラッグです。

こちらはデザイナーのダニエルクエーサーが作った旗で、もともとあった6色のレインボーフラッグにブラック、ブラウン、ライトブルー、パステルピンク、ホワイトの5色が追加されました。

追加されたブラック、ブラウンは有色人種を、ライトブルー、パステルピンク、ホワイトはトランスジェンダーを表しています。

18.ジェンダークィアフラッグ

次は、ジェンダークィアフラッグです。

ジェンダークィアとは、LGBTのどれにも当てはまらない性的マイノリティのことです。

こちらの旗は2011年に、デザイナーのマリリンロキシーによって作られました。

色の意味は、ラベンダーは両性具有、白は性別のアイデンティティ、グリーンは非バイナリーの人々を表現しています。

19.ジェンダーフルイドフラッグ

ジェンダーフルイドフラッグは、2012年にジェンダーフルイドに旗がないことを気にかけたJJ・プールが作った旗です。

ジェンダーフルイドとは、流動的な性を意味する言葉で、状況や心理状態によって性別が変わる人のことをいいます。

この旗では、ピンクは女性らしさ、白は全ての性別、パープルは男性らしさと女性らしさの両方、黒は性別の欠如、青は男らしさを表現しています。

20.Aジェンダーフラッグ

Aジェンダーフラッグは、2014年にアーティストであり、Aジェンダーでパンロマンティック、デミセクシュアルのSalem Xが作りました。

Aジェンダーとはジェンダーのない人のことをいいます。

この旗は、黒と白は性別の欠如、グレーはジェンダーレス、グリーンはノンバイナリーを表現しています。

21.アロマンティックフラグ

アロマンティックフラッグは、以前はグリーン、イエロー、オレンジ、黒でしたが、グリーン、黄緑、イエロー、白、グレー、黒に変化、さらに変化を遂げ、現在の色味に落ち着きました。

アロマンティックとは、他者に対して恋愛感情を抱かない人をいいます。

グリーンがアロマンティック、グレーと黒は無性と両性の全てを表現しています。

22.ノンバイナリーフラッグ

ノンバイナリーフラッグは、2014年に作られた旗です。

性別を男性か女性か、2つに当てはめたくない人のことをいいます。

イエローが性別二元制以外の性別、白が全ての性別と同一視する性、パープルが男女と女性の組み合わせである性、黒がAジェンダーを表現しています。

23.ポリアモリーフラグ

ポリアモリーフラッグは、無限に続くπが特徴となった旗です。

それはポリアモリーが相手の同意を得て、複数のパートナーと付き合っていくスタイルからきています。

24.ストレートアライフラッグ

ストレートアライフラッグは、LGBTのレインボーフラッグの色と白黒のストライプで構成されている旗です。

アライとは、自分はLGBTQではないけど、LGBTQの人々を支援したいという人のことです。

しっかり支え合っていることがわかるデザインになっていますね。

まとめ

今回はLGBTQの旗「レインボーフラッグ」を24種類、さらに色に込められた意味もご紹介しました。

レインボーフラッグの種類の多さに驚いた人も多いと思います。

それぞれがさまざまなセクシュアリティを表現していて、大切な旗であることがわかりました。

世界中にはいろんなセクシュアリティの方が存在しています。

みんなが広く理解して、少しでも世界がジェンダー平等に近づくといいですね!

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【まとめ】ジェンダー(=性別)は何種類にわけられる?LGBTQQIAの意味や読み方は?

ジェンダーレスやLGBTなど、さまざまなジェンダーに関する言葉を耳にする今日この頃。

その背景には、SDGsの目標の1つにも取り上げられている、性的マイノリティの人たちが生きやすい世の中にするための活動が世界的に活発化していることがあります。

多種多様な人々が尊敬し合い、自由に生活を送るにはジェンダーに関する知識を知ることはとても大切!早速、LGBTから更に発展したLGBTQQIAを知ることから始めていきましょう!

LGBTQQIAの意味とは

ジェンダーに関する言葉や主張は、年々存在感を増しており、多様性を表す代表的な言葉となりました。

ジェンダーの種類を知ることは、自分や周囲の人々と一緒に生活する上でとても重要です。

はじめに:セクシャルマイノリティとは

まずはじめに、「セクシャルマイノリティ」という言葉の意味から見ていきましょう。

「セクシャル=性的」+「マイノリティ=少数派」=性的少数派という意味の造語になります。

この言葉は、「マジョリティ=多数派」の反対の意味として作られました。

つまり、男性と女性の二つに分けられてしまう考え方を「マジョリティ」とし、LGBTQQIAのように、個人の個性や趣向により別の表現方法を主張する考え方を「マイノリティ」と表現しています。

性的マイノリティの象徴: レインボーフラッグの意味

LGBTQQIAなどのセクシャルマイノリティの象徴となるのがレインボーフラッグです。

レインゴーフラッグは、アメリカのギルバート・ベーカー氏によって1976年に考案されました。

今は、6色から構成されている虹色が浸透していますが当時は8色でした。

それぞれの色に込められた意味はこちら。

・ピンク=性

・レッド=生命

・オレンジ=癒やし

・イエロー=太陽

・グリーン=自然

・ターコイズ=芸術

・ネイビー=調和

・パープル=精神

当時の印刷技術の問題などから6色になったものの、虹色の意味は現在もそのまま受け継がれています。

LGBTQQIAの読み方と各要素の説明

LGBTQQIAはセクシャルマイノリティと言われる人たちのタイプを表現した言葉の頭文字でできています。

ジェンダーの種類を理解する上で大切なポイントは、「性的指向=恋愛や性愛の感情の方向」と「性自認=自分の性をどのように認識するか」という二つの基準があるということです。

それでは、それぞれの言葉の読み方と意味をみていきましょう!

L = レズビアン

体と心がともに女性的で、性的指向が女性であること

G = ゲイ

体と心がともに男性的で、性的指向が男性であること

B = バイセクシュアル

性的指向が男性と女性の両方であり、体と心のジェンダーは問わない

T = トランスジェンダー

体は女性的で心が男性的、または、体が男性的で心が女性的であること

Q = クエスチョニング

自身の性タイプ、性的指向、恋愛対象などに関して再理解しようと積極的に取り組んでいる人のことを言います

Q = クィア

性自認が出生時と異なるなどの理由で、まだ自分の性をどのように認識するか決めていない人のことを表現します

I = インターセックス

体が男性と女性の両生殖組織を持っている、または、片方の性別の生殖組織ともう片方の性の外性器を持っている人のことを表します

A = アセクシュアル

性的指向が他者へ向かず、無性愛者のこと

LGBTQQIAと社会、法律

LGTQQIAの意味や種類をご紹介しました。

それでは、日本ではどのように受け入れられているのでしょうか。

実は、日本は世界でもジェンダーレスという考え方に対する受け入れが遅れていると言われています。

その理由は、ジェンダーに関する法整備の遅れです。

日本には、どのようなジェンダー関連の法律あるのでしょうか?

いくつか見ていきましょう。

日本の法律: ジェンダーや性的マイノリティの現状

日本では、「人権教育・啓発に関する基本計画」が2002年に発足されたことを皮切りに、ジェンダーの多様性を取り入れた法整備が進められています。

「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が2004年に施行され、男女共同参画基本計画をもとに、性的指向や性自認を取り入れた整備が行われています。

2017年にはセクシャルハラスメントに関する指針の改正が行われ、2020年にはオリンピックやパラリンピックに関与する少数派ジェンダーに関する取り決めが行われました。

同性婚とセクシャルマイノリティの支援体制

上記を見ると一見、整備が行われているように思えますが、まだまだ課題はあります。

その課題の中で注目を浴びているのが「同性婚」です。

すでに海外では同性婚が認められている国もありますが、日本では認められていません。

ただし、法整備が行われていないものの、東京都渋谷区などに代表される地域の取り組みにより「同性パートナー証明」を発行している地方自治体もあります。

企業の取り組み

日本の企業のジェンダーに関する取り組みをご紹介します。

トヨタ自動車株式会社は、福利厚生にジェンダーの規定を盛り込んでいます。

同性婚を受け入れており、同性の結婚祝い金や同性の扶養手当などが取り入れられています。

また、社員向けのLGBTQQIAに関する啓発活動や専門の相談窓口を設置するなどしています。

ブリヂストン株式会社では、国内最大級のLGBTQQIAの催しである「東京レインボープライド」に積極的に参加をしたり、同性婚でも異性婚と同様の福利厚生を受けられるようにしています。

まとめ

性的マイノリティは、当事者だけではなく、社会全体で理解を深める必要がある課題です。

SDGsの目標の1つになっているように、個々人の性的指向や性自認を受け入れることができれば、とても生活しやすい社会になっていくでしょう。

多種多様な人がそれぞれの個性や特徴を存分に発揮して、お互いを認め、尊敬し合うことができる世の中にしたいですね!

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世界経済を変える!?女性の社会進出で人材不足を解決!

国際的にジェンダーの問題や、環境の問題が注目をされています。

その中でも、日本が直面している問題の一つが女性の社会進出です。

女性の活躍は、世界中で期待がされており、経済に大きな影響をもたらすと言われています。

それでは、この課題に対して、日本ではどのような取り組みが行われているのでしょうか?

過去の歴史から現在の経済が抱える女性の社会進出に関する問題を見ていきましょう。

女性の社会進出の歴史とは?

日本女性の社会進出はどのように進展してきたのでしょうか?

実は、男女平等を唱えるようになったきっかけは戦後までさかのぼるのです。

その時代は、男女の権利平等への動きが活発になり、多くの人が声をあげました。

日本だけではなく、世界の歴史も合わせて知ることで、より深く日本女性の社会進出の流れがわかります!

女性の社会進出はいつから?

日本国内で女性の社会進出が具体的に進んだのは、太平洋戦争後だと言われています。

きっかけとなったのは、アメリカが日本の法整備に参入し、男性を上位とする「家制度」が撤廃されたことです。

そして、男女平等を支持する民主主義国家へ歩みを始めたことも大きな要因の1つです。

1945年には女性が参政権を取得し、教育面でも男女共学の導入が行われました!

一気に女性の地位が男性に近づいていることがわかりますね!

世界と日本の女性社会進出

そして、世界で大きな変革のきっかけとなったのは、1975年に国際連合によって開催された「国際婦人年会議」です。

この各国の政府代表が集まった会議において、「女性の平等と発展と平和への貢献に関するメキシコ宣言」が発表され、更に、国際婦人年の目標達成のための世界行動計画が採択されました。

この国際的な動きは、日本にも大きな影響を与えました。

男女平等を実現するために、教育、雇用、育児、家庭、老後など、11の重点項目がまとめられ、具体的な取り組みが始まりました。

その結果、1985年に「男女雇用機会均等法」が制定されたのです。

「男女雇用機会均等法」は募集・採用から勤務環境はもちろん、定年・退職まで、労働に関する男女平等を網羅する法律として位置付けられました。

戦前の日本では想像がつかなかったような環境が、世界各国と足並みを揃えるようにして、一気に変化していったことがわかりますね!

女性社会進出のメリットと影響

ところで、女性が社会進出をすることでどのようなメリットと影響があるのでしょうか?

もちろん、一人一人の女性が社会的地位を得やすくなることで一個人のメリットがあるのは想像がつきますが、それと同時に日本経済全体にもたらすメリットも大きいと考えられています。

それでは、具体的に社会経済に与えるメリットと影響を見ていきましょう。

①経済成長の促進

実は、現代の日本、そして他の先進国でも、経済成長率が減少傾向にあることが問題視されています。

その原因とされる要因はこの3つ。

・少子高齢化

・需要不足、貯蓄増加(=デフレ)

・産業のIT化、技術革新の停滞

この経済成長を停滞させる3つの要因は「人材不足」という共通の問題から生まれます。そこで、期待されるのが女性の社会進出というわけなんです!

家庭の環境や、労働条件によって「働きたいけど働けない!」という女性が多く存在します。しかし、もしそのような女性たちが働くことができるように社会的な環境を整え、法整備をすれば、一気に人材不足の解消が可能となるのです。

②企業の生産性アップ

長らく日本社会では、出産や育児により退職する可能性が高い女性を雇用することは、企業にとってデメリットであると考えられてきました。

しかし近年では、その考え方に変化がでてきました。

経済産業省のデータによると、女性が社内で活躍することを推進している企業の方が、そうでない企業よりも高い利益率をあげていることがわかっています。

以前は、敬遠されがちだった女性の雇用ですが、なぜ利益率アップの理由となっているのでしょうか?

それは、女性にとって働きやすい環境を整えることによって、従業員全体の労働環境の改善が見込まれるからです。

女性が働きやすい職場環境をもつ企業は、男女間の勤続年数の差が小さく、また、再雇用制度があるため、結果として女性管理職比率が高くなります。女性管理職が増えることで、その下で働く女性は更に働きやすくなります。

このような好循環が社員一人一人に広がっていくことで、社内全体のワークライフバランスが整い、生産性アップにも繋がるんですね!

引用元:経済産業省

https://www.meti.go.jp/intro/data/hishyoka20150130.html

SDGsと女性の活躍

女性の活躍を推進することは、経済に良い影響を与える可能性があることがわかりました。しかし、まだまだ課題は多く残されています。そのため、SDGsでも女性の社会進出に関する目標が掲げられています。

SDGsと女性の活躍推進

女性の社会進出とSDGsはとても密接な関係にあります。

SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」では、働く人の権利や労働環境に関して言及がされており、その中には女性の経済への進出も含まれています。

特に目標8を細分化した項目では、女性の社会進出に密接した内容が言及されています。

8-1:各国の状況に応じて一人当たり経済成長率を持続させる。

8-5:2030年までに若者や障がい者を含むすべての男性および女性の完全かつ生産的な雇用および人間らしい雇用ならびに同一労働同一賃金を達成する。

引用元:一般社団法人 日本SDGs協会

https://japansdgs.net/target08/

まとめ

過去を振り返ると、現代まで世界で男女平等の課題に積極的に取り組んできていることがわかりましたね!

ただ、更なる発展が必要な課題でもあります。SDGsでも男女平等の取り組みがあり、今後の各国の活動に期待したいですね。

女性の社会進出が進めば、個人、企業、経済に好循環をもたらすことができます。

私たち一人一人が女性の活躍を応援することで、好循環の輪が社会全体に広がる様に取り組んでいきたいですね。

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ジェンダーレストイレとは?日本と海外を比較!2024年の現状は?

昨今では、ジェンダーレスの考え方が広まっています。

ジェンダーレスの考え方が広まるにつれ、既存のトイレだけではなく、ジェンダーレスを取り入れたトイレが国際的に設置されています。

ジェンダーレストイレは、日本や海外でどのように取り組みが行われているのでしょうか。

現在、問題視されている課題点も合わせて見ていきましょう。

ジェンダーレストイレとは何か:理解と知識を深める

ジェンダーレスとは、男性・女性といった性別の考え方に捉われない考え方を意味します。

「LGBTQ」などが代表的な例です。

LGBTQは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クエスチョニング、クィアの5つの頭文字から作られた言葉です。

ジェンダーレストイレとは、ジェンダーレスに利用ができるトイレです。

つまり、性別に関わらず利用ができるトイレを意味します。

「ジェンダー」「トランスジェンダー」など、ジェンダーレストイレを理解するための用語解説

ジェンダーレストイレを理解するためにもジェンダーレストイレに関わる用語をご紹介します。

・ジェンダー

生物学的な性別(セックス)ではなく、社会的、文化的に形成される性差を指す言葉です。

・ジェンダー・バイアス

社会的、文化的に形成される性差や男女の役割などに対する固定的な思い込みや偏見、差別のことです。

・ジェンダーレス

社会的、文化的な性差をなくすことです。

・ジェンダーフリー

誰でもジェンダーによる区別を受けることがなく、個々が自由に能力を発揮したり、選択したりできることです。

ジェンダーレストイレの問題点と改善の提案:不安や課題を解明

一見すると現代的で多様性に長けているジェンダーレストイレ。

しかし、誰でも気兼ねなく利用ができるという便利さを持つ一方、さまざまな課題も表面化しています。

ジェンダーレストイレの問題点:待ち伏せやプライバシーの侵害について

ジェンダーレストイレ設置の最も大きな課題とされているのが、プライバシーの問題です。

誰でも気兼ねなく利用することができる反面、誰でも利用ができるために他者との距離が密接になってしまいます。

そのため、不安感を抱く方が多くいるのが現状です。

また、日本ではあまり問題視はされていませんが、国際的に見ると宗教や文化の問題も挙げられます。

宗教によっては、性別の考え方はとても厳しく、密接に接することを厳しく禁じている宗教もあります。

そのような宗教とジェンダーレストレイが混じり合うことは、かなり困難かもしれません。

安心のための対策

上記でご紹介したプライバシーに関する課題の改善策として取り入れられているのが、設計によるプライバシーの確保です。

一つ目は、トイレ内の動線を両通行にするのではなく、入口と出口を決めて一方通行にする方法です。

そうすることにより、他人とのすれ違いや顔合わせを減らすことが可能です。

二つ目は、意図的に死角を作り、個室に入室したことを他者から見えにくくする方法です。

また、一部施設では個室の入室情報が事前に分かるシステムが導入されており、個室前で待機しなくて済む設計が施されています。

ジェンダーレストイレの現状

ジェンダーレストイレの意味と課題点をご紹介しました。

それでは、日本と海外では、具体的にどのような取り組みが行われているのでしょうか?

事例をあげてご紹介します!

日本でジェンダーレストイレが設置されている場所

それでは、具体的に日本国内のどこにジェンダーレストイレが取り入れられているか見ていきましょう。

・渋谷ソラスタ

引用元:TOTO株式会社

https://jp.toto.com/com-et/jirei/2058/pdf/2058.pdf

男性トイレ、女性トイレはもちろんですが、オールジェンダートイレも設置をしており、利用者が利用したいトイレを選ぶことができるようになっています。

・LIXILオルタナティブ・トイレ

引用元:LIXIL株式会社

https://www.lixil.co.jp/ud/publictoiletlab/future/alternative/

オルタナティブトイレとは、全てを男女共有にするのではなく空間設計を駆使してエリア別、状況別に男女共有のトイレを実現する方法です。

また、老人や車椅子利用者にも配慮がされており、性別のみではなく身体的にも配慮がされています。

海外でジェンダーレストイレが設置されている場所

日本と比較して、海外ではどのようなジェンダーレストイレが設置されているのでしょうか。

実際の事例を見ていきましょう。

・AMERICAN FOLKART MUSEUM

アメリカの美術館内にあるトイレであり、「誰でも利用ができる」と看板があるトイレです。

個室の中には小便器と大便器の両方が設置されています。

ジェンダーレストイレなのに、小便器が設置されている理由は、節水と気軽に利用を促すための意図があるようです。

引用元:Dresser Johnson

https://www.linkedin.com/pulse/pictograms-signage-american-folk-art-museum-kevin-dresser

・Whitney Museum

こちらも、アメリカの美術館に設置されているジェンダーレストイレです。

このトイレの特徴は、看板にピクトグラムというトイレマークを使用せずに、文字だけで看板を表示していることです。

これには、マークなどの抽象的な表現を避けて直接的な表現をするべきである、という意味が込められています。

引用元:Artnet News

https://news.artnet.com/art-world/brian-boucher-10-things-you-should-be-excited-about-at-the-new-whitney-museum-291664

まとめ

ジェンダーレストイレは、現代の考え方に合わせた新しい取り組みである一方、地域性や文化背景による課題や、プライバシーの保護に対する問題が存在します。

マイノリティの人も、そうでない人も、心地よく利用できるトイレの設計に今後も様々な工夫がされていくことでしょう。

今後は、日本でも目にする機会が増えそうです。

みなさんは、ジェンダーレストイレに関してどう思われますか?

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日本の大きな課題!ジェンダーバイアスとは?日常の例と取り組み

ジェンダーレスやジェンダーレストイレ、そしてジェンダーバイアスなどさまざまなジェンダー(=性別)に関わる言葉が注目されています。

似た言葉ではありますが、ジェンダーバイアスとジェンダーレスは全く正反対の意味になります。

それでは、今後さらに加速すると思われるジェンダーに関する知識を身につけていきましょう!

ジェンダーバイアスとは

ジェンダーバイアスとは具体的にどのような意味なのでしょうか?

また、日本は現在どのようなジェンダーバイアスに関する課題を抱えているのでしょうか?

ジェンダーバイアスとは:基本的な意味と使用される場面

ジェンダーバイアスとは、ジェンダーの「性」とバイアスの「偏見」を合わせた言葉です。男性的・女性的といったジェンダーを基に社会的・家庭的地位や役割を固定的に捉えることを意味しています。

ジェンダーバイアスは、気づかない内に私たちの日常に溶け込んでいることがあります。

ジェンダーバイアスにともなう日本の現状

日本は、2023年に発表されたジェンダーギャップ指数において、日本はなんと125位…。

G7の国々の中では最下位という悲しい結果でした…。

なぜ日本のランキングはこんなにも低かったのでしょう?

それは、ジェンダーバイアスの問題において、政治参画がとても重要視されているからです。

世界で最もジェンダーレスが進んでいるアイスランドでは女性議員の割合が約50%であるのに対して、日本では約10%。その差は歴然です。

また、日本企業の管理職に着任している人の割合も男性が圧倒的に多いことが課題とされています。

※ジェンダーギャップ指数;世界経済フォーラム(WEF)が発表している男女格差を表す指数

引用元;世界経済フォーラム(World Economic Forum)

https://jp.weforum.org/

身近なジェンダーバイアスの例

それでは、ジェンダーバイアスは日常のどのような部分に現れているのでしょうか?

学校や会社はもちろんですが、家庭内にもジェンダーバイアスの事例があります。

意外と当たり前のように受け入れていた感覚がジェンダーバイアス的な考え方だったということに驚かれる方も多いかと思います。

それでは、シーン別に見ていきましょう!

学校や教育の現場に見られるジェンダーバイアス

教育現場では、文系=女性の得意分野、理系=男性の得意分野といった風に性別によって得手不得手を決める先入観が挙げられます。

昨今では、理系が得意な女性を「リケジョ」と呼ぶ風潮もありますが、このような言葉が生まれる背景にもジェンダーバイアスの影響があると言えます。

また、日本でよく見られる、体育や課外活動などの際に男女別で活動を進めたりすることもジェンダーバイアスの1つに挙げられます。

家庭や育児におけるジェンダーバイアス

育児において挙げられる例が、物の形や色のジェンダーバイアスです。

男の子が青色、女の子はピンク色というようなジェンダーによる代表的な色のイメージもジェンダーバイアスなのです。

色の問題は、トイレのマークでも顕著に現れています。

男性が青色のマーク、女性が赤色のマークで表現されているのは誰でも見たことがあると思います。

また、育児においても、女性が率先して行うものであるという考え方や、育児をする男性を「イクメン」と表現することも同様にジェンダーバイアスの一種です。

職場でのジェンダーバイアス

日本で最も問題視されていることは、政治組織に選出されている女性が少ないことです。

これは、政治や会社は男性が率先するものであるというイメージが長い歴史の中で定着したことが原因だと考えられます。

また、男性は営業職、女性は事務職を行うイメージや、女性は気配りが上手なためサービス業、男性は体力があるため建設業が得意であるというイメージもジェンダーバイアスの一例です。

ジェンダーバイアスの解消と取り組み

ここまで日常に溶け込んでいるジェンダーバイアスをご紹介してきましたが、

世界ではこの問題を改善するため、どのような取り組みをしているのでしょうか?

世界の事例とともに取り組みをご紹介します!

世界の先進例:アイスランドのジェンダーバイアス解消への取り組み

アイスランドで積極的に取り組まれているのは、育児に対する環境整備とジェンダーによる賃金格差の解消です。

性別に関係なく育児に育児に積極的に取り組むことができる環境を整えているアイスランドに対し、日本では、女性が育児休暇を取得し、男性は継続して働くという風潮が昔からあります。

その結果、日本の育児休暇取得率は10%未満であるのに対し、アイスランドでは70%以上と言われています。

また、アイスランドでは、1961年に「男女同等賃金法」が定められています。

さらに、政府組織の中に「ジェンダー平等センター」、「ジェンダー平等理事会」、「ジェンダー平等苦情委員会」といった組織が独立して設立されています。

そのため、ジェンダーバイアスの考え方を踏まえた法整備も行うことができ、男女の賃金格差解消への具体策になっています。

まとめ

ジェンダーバイアスの怖いところは、私たちが気づかない内に日常生活に自然に入り込んでいること、またイメージとして植え付けられてしまっていることです。

歴史や文化により、無意識のうちに私たちの考え方に溶け込んでしまっているのが怖いところ。

そんな特徴故に、ジェンダーバイアス問題をすぐに解決することは難しいかもしれません。

しかし、ジェンダーバイアスを日常から意識することで、あなたの日常の見え方が変わるでしょう!

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女性の寿司職人がミシュラン店で活躍!それでも女性が少ない理由は?

男性のイメージが強い、寿司職人

最近では女性寿司職人の話もチラホラ耳にするようになり、2017年には、女性の寿司職人がミシュランガイドに掲載のお店で活躍していると話題になりました!

しかし、それでも女性の寿司職人はまだまだ少ないのが現状…一体なぜ?

今回は女性の寿司職人が活躍するミシュラン店について、今もまだ女性寿司職人が少ない理由、さらに、閉店した「なでしこ寿司」についてもご紹介していきます。

女性の寿司職人がミシュラン店で活躍!

まずはじめに、女性の寿司職人が活躍するミシュラン掲載のお店をご紹介しましょう。

女性寿司職人がいるミシュラン店「鮨 千陽」とは

女性寿司職人がいるお店は大阪市福島区にある「鮨 千陽」。

カウンター席のみ、予約制のこのお店は本格的な江戸前寿司を提供するのが特徴で、日本人だけでなく、外国人観光客にも人気です。

2014年12月にオープンし、2017年には「ミシュランガイド京都・大阪版」でコストパフォーマンスに優れた店が選ばれる「ビブグルマン」部門に認定されました。

このお店は職人養成学校「飲食人大学」が運営し、その学校の卒業生と生徒で切り盛りしています。

その中でも注目されているのが女性職人の存在です。

ミシュラン初掲載の2017年時点で、職人12人中4人が女性でした。

しかも、ミシュラン掲載の寿司屋で女性職人がいるお店は「鮨 千陽」のみ!

寿司屋業界でもとても珍しいお店なのです。

食べログでも高評価

「鮨 千陽」の食べログを見てみると、★3.54となかなかの高評価。

口コミも満足した内容が多く、やはりコスパの良さを褒めているものが多かったです。

これはぜひ行ってみたいお店ですね!

その他のお店でも女性寿司職人は活躍中!

女性の寿司職人がいるお店は「鮨 千陽」以外でも話題になっています。

それは、予約が取れないと大人気の浅草にある「鮨ゆう子」です。

2023年6月にオープンしたばかりなのに、口コミとSNS、さらにリピーターだけで予約が常に満杯なんだとか。

営業日は何と週2日だけ!

シェアレストランサービスを利用し、人気のビストロ店から間借りしているそうです。

寿司だけでなく、野菜を使ったおつまみも楽しめます!

予約が取れれば、ぜひ行ってみたいお店です。

以上のように女性寿司職人の活躍はチラホラ見られますが、それでもやっぱり男性よりは圧倒的に少ないですよね。

一体どうしてなのでしょうか?

女性の寿司職人が少ない理由は?

ではここからは、女性の寿司職人が少ない理由について考察していきます。

理由① 「手の温度が高い」というデマ

1つ目の理由は、女性のほうが「手の温度が高い」というデマが流れたからです。

手の温度が高いと新鮮なネタが温まるということでしょう。

確かに、男性より女性のほうが体温が高いイメージはあります。

さらに、女性寿司職人が特集されたテレビ番組では、お客さんから「手が温かいから美味しくないんでしょ」と言われたことがあると複数の女性寿司職人が話していました。

しかし、これは完全なデマです!

手の温度は個人差があり、女性だから高いということはありません。

むしろ冷え性の女性は手が冷たい人が多いのでは?とも思えますよね!

こういったデマが女性は寿司職人に向かないという固定観念を植え付けたのでしょう。

理由② 「女人禁制」「職人文化」の名残り

2つ目の理由は、「女人禁制」や「職人文化」の名残りです。

寿司職人だけでなく、板前さんも男性が多いですよね。

男性がメインの調理を行い、女性は割烹着でお手伝いをする…こういった昔ながらの文化が今も残っているということでしょう。

もともと職人と呼ばれる仕事は、下積み時代が長く厳しい世界が多いです。

そういった部分で、女性が入りにくい業界だったのかもしれませんね〜

女性寿司職人が炎上?「なでしこ寿司」とは?

女性の寿司職人が少ない理由を考えると、どれも勝手なイメージによるものばかりでした。

ではここからは、女性が店長を勤め、SNSで何度も炎上を経験した「なでしこ寿司」についてみていきましょう。

「なでしこ寿司」からも女性の寿司職人が少ない理由がみえてきますよ!

「なでしこ寿司」とは

「なでしこ寿司」とは、2010年に秋葉原にオープンし、2016年ごろから海外メディアを中心に注目が集まり、日本メディアでもよく取り上げられた寿司屋です。

店長と板前を兼任したのは女性の千津井由貴さん。

高級寿司のカテゴリでもあった「なでしこ寿司」は華やかな着物姿で女性が寿司を握るスタイルで、外国人観光客をメインに大盛況にありました。

しかし、その一方で「なでしこ寿司」には、

「女は体温が高いし、生理もあるから握るな」「化粧の粉が寿司に落ちる」「板場に立つには10年必要」

引用元:https://gendai.media/articles/-/109601?page=2

という誹謗中傷が届いていたそう。

炎上した理由

さらに、「なでしこ寿司」は何度かSNSの炎上経験もあります。

その理由は、取材の際に、制服の着物がまな板についていたからです。それに加えて、指に絆創膏を貼ったまま寿司を握っていたことも不衛生だと指摘されました。

SNSは大炎上し、千津井由貴さんが謝罪するに至っています。

現在は閉店

そして、そんな「なでしこ寿司」は2022年に閉店しました。

閉店理由はコロナによる外国人観光客の減少で、その後も回復することなく、店を閉める決断をしたそうです。

炎上理由は別として、女性が寿司職人になったことで心無い誹謗中傷が届くのは辛いですよね。

やはり寿司職人は女性に務まらないという大昔の考えを引きずっている人が一部いるため、女性の寿司職人は増えないのかもしれません。

まとめ

今回は女性の寿司職人が活躍するミシュラン店について、今もまだ女性寿司職人が少ない理由、さらに、閉店した「なでしこ寿司」についてもご紹介しました。

女性の寿司職人がミシュラン店で活躍している一方で、まだ女性寿司職人は一般的ではなく、少ないのが現状です。

その理由は、昔からのイメージによって女性の進出が難しい状態になっているからです。

とはいえ以前と比べ、女性の寿司職人は増えつつあります。

もしカウンターで女性の寿司職人を見つけたら、こっそりエールを送りましょう!

そして、性別に関係なく、自分がつきたい仕事につける世の中になるように、1人1人が変な固定観念を捨てることが大切ですね。

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女性は170cm以上あるとモテない?その理由や実際のデータは?

男女のカップルを見ると、女性の身長が小さくて男性が大きい場合が多いですよね。

特に身長が170cm以上の女性は数が少ないため、コンプレックスに感じている人もいるのではないでしょうか?

女性 170cm モテない」なんて言葉を調べている人も多いみたい。

今回は高身長に悩む女性必見!女性は170cm以上あるとモテない?その理由や実際のデータをご紹介していきます。

170cm以上の女性がモテないと言われる理由は?

では早速、170cm以上の女性がモテないと言われている理由を考察します。

理由① かっこいいイメージ

まず1つ目は、170cm以上の女性にかっこいいイメージがあるからです。

150cmの女性と並ぶと、まるでカップルのようなシルエットとなり、170cmの女性は男性役に見られがちになります。

さらに、高身長が故に頼れるお姉さんイメージが強く、頼もしい存在として思われる場合が多いです。

逆に、小さな女性はか弱く見え、守ってあげたくなる存在と思われることが多いでしょう。

かっこいい女性ももちろん素敵ですが、男性からは可愛い女性のほうがモテることが多く、かっこいいと見られがちな170cm以上の女性がモテないと考えられてしまうのです。

理由② 自分よりも小さい女性が好き

2つ目の理由は、男性が自分よりも小さい女性が好きだからです。

それは2019年に行われた、男女107人(男性44人、女性63人)に聞いた「恋愛での見た目と身長に関するアンケート」を見るとよくわかります。

そのアンケートで「恋愛対象を見る上で身長の差についてどう感じるか教えてください。」という問いに対し、「自分よりも身長が高い方が好き」と答えた男性は0人、「どちらかと言えば自分よりも身長が低い方が好ましい」または「自分よりも身長が低い方が好きだ」と答えた男性は合計29人で最も多い結果でした。

(データ引用:https://www.slideshare.net/100nin/ss-142487205

つまり、男性の多くは自分よりも身長が低い女性をいいなと感じているということです。

さらにいうと、16〜39歳の日本人男性で、身長170cm以上の割合は59.2%(約6割)、つまり、170cm以下の男性が約4割もいるということがわかっているのです。

(データ引用:https://www.env.go.jp/chemi/rhm/conf/conf01-02/mat03.pdf

もし、約4割の男性が自分よりも身長が低い女性がいいなと感じていたとしたら、170cm以上の女性は多くの男性にモテないと言えてしまうかもしれません。

理由③ 気が強そうに見える

3つ目の理由は、170cm以上の女性に気が強そうに見えるイメージがあるからです。

こちらは170cm以上の女性芸能人である、菜々緒さんや天海祐希さんが演じる役柄からもわかります。

菜々緒さんや天海祐希さんは、気の強い女性、自立した女性、厳しい上司、頼りになるお姉さんを演じることが多いです。

気が強い女性は、同時に怖いイメージもあるため、男性は近づきにくく、恋愛まで発展しにくい場合が多くなります。

さて、これらの理由を見ると、やっぱり170cm以上の女性はモテないのかなと不安に思われるかもしれません。

しかし、安心してください!

170cm以上の女性は、モテます!

170cm以上の女性はモテないは嘘!実際のデータは?

ではここから、170cm以上の女性はモテないは嘘!実際のデータや根拠についてご紹介していきます。

高身長でもモテモテの女性芸能人

モテる女性の代表格である、有名芸能人たち。

その中にも、170cm以上の高身長女性はたくさんいます。

例えば、バラエティ番組に引っ張りだこのアイドル、王林さんです。

青森県のご当地アイドルとして登場した王林さんは、津軽弁とふんわりした可愛さが魅力!女性はもちろん、男性にも高い人気を誇っています。

しかし、あの王林さんもなんと身長170cmの高身長女性なんです。

男性からモテモテといえば、池田エライザさんや滝沢カレンさん、榮倉奈々さんも170cmを超える高身長。

さらに、杏さんや松下奈緒さん、松嶋菜々子さん、山口智子さんも170cm以上の女性です。

どの世代からも愛される芸能人ばかりで、170cm以上の女性がモテないとは到底思えませんね!

高身長でも恋愛対象

では次に、高身長でもモテることがわかるデータを見ていきましょう。

恋の悩みをテーマとしたメディア「MENJOY」は20~30 代の未婚男性116名を対象に「高身長(165㎝以上)の女性は恋愛対象ですか?」(https://menjoy-digital.jp/archives/334966)という質問を投げかけました。

結果は、84%が「恋愛対象である」と回答。

高身長=モテないという事実はないことがわかりました!

ミスユニバースは170cm以上が普通

また、国際的なミスコンテストである、ミスユニバースでは、身長170cm以上の女性が当たり前のように出場しています。

さらに、選ばれる方の多くが170cm以上の高身長女性です。

例えば、2023年のミスユニバース日本代表の宮崎梨緒さんは172cmの高身長です。

外見だけの大会ではないとはいえ、やはり高身長女性に魅力がたっぷりあることを意味していますよね!

170cm以上の女性がモテるためにするべきこと3つ

以上のデータや根拠で、170cm以上の女性がモテないのは嘘であることがわかってもらえたと思います。

では最後に、170cm以上の女性がモテるためにするべき3つのことをまとめます!

高身長でモテないと悩んでいる女性必見です!

ギャップを見せる

1つ目は、ギャップを見せることです。

これまで解説してきた通り、高身長女性は「かっこいい」や「頼もしい」「自立している」「気が強そう」というイメージがついてしまいがちです。

なので、たまにはか弱い部分を見せて、周りに頼るというギャップを見せましょう。

そんなギャップで男性の気になる存在になるかもしれません!

高身長が映えるファッション

2つ目は、高身長が映えるファッションに挑戦することです。

高身長な女性には長い脚を生かして、ロングスカートがおすすめ!

また、ロングジャケットなども美しく着こなせます。

ロング丈のお洋服は、背の低い人が着こなすのは難しいので、低身長女性にとってはとても羨ましい部分ですよね!

男性にとっても、綺麗で魅力的に見えるファッションです!

自分より身長が低くてもOKと公言

3つ目は、自分より身長が低くてもOKと公言することです。

男性の中には、高身長な女性は高身長男性を求めているんだろうと勝手に思い込んでいる人もいます。

プライドの高い人は、身長が理由で振られるのは辛いと遊びに誘うこともやめてしまうかも!

そうならないように、会話の中でさりげなく「身長が低い人も好き」と言っておきましょう。

そうすると男性側も誘いやすくないこと間違いなしですよ!

まとめ

今回は高身長に悩む女性必見!女性は170cm以上あるとモテない?その理由や実際のデータをご紹介しました。

170cm以上の女性は「かっこいいイメージ」や「小さい女性を好きな男性が多い」「気が強そうに見える」などの理由で、モテないと考えられがちでした。

しかし、実際には高身長の女性を恋愛対象としている男性は8割を超え、人気の女性芸能人やミスユニバースも高身長が多いことがわかりました。

170cm以上の女性は、モテない〜と悩まずに、魅力たっぷりの高身長に自信を持ってください!

きっと身長を含め、全てを受け入れてくれるパートナーが見つかるはずです。

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フェミニズムとは?日本と海外で違いはあるのか?

ハリウッドで注目されていた#MeToo運動を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

実は#MeToo運動もフェミニズムの取り組みの一つなのです。

また、フェミニズムは海外だけでなく、日本でも19世紀から取り組まれてきました。

日本のフェミニズムの歴史や今後の課題、海外の運動や課題も合わせて見ていきましょう!

フェミニズムとは:わかりやすく意味を解説

フェミニズムとは具体的にどのような取り組みを行うことなのでしょうか?

ジェンダーの運動は誤った理解をされてしまうこともあります。

フェミニズムは男性嫌悪を主張している考え方だと認識されている側面もありますが、そのようなネガティブなことは一切ありません。

正しく知り、正しく支持をすることが大切です。

フェミニズムを知るには、まずはフェミニストから知る必要があります。

早速、フェミニストについて見ていきましょう!

フェミニストとは:簡単に説明

フェミニストとは英オックスフォード辞書での定義によると、全ての性が平等な権利を持つべきだという理由から女性の権利を主張する行為(フェミニズム)を支持する人のこととされています。

つまり、女性も男性と同等の権利を平等に持っていると支持する人のことです。

ジェンダーによって、「こうすべきである」といったような決められた考え方を無くすことが求められています。

フェミニストは男性嫌悪をするわけではなく、あくまでもジェンダーに関わらず人々は平等であるということを信じています。

フェミニズム運動の目標

フェミニズムは個人の多様性を尊重することを目指しているだけでなく、SDGsでも大きく注目されています。

2020年に国連で採択されたSDGsには17の目標が設定されています。

その中でも、ジェンダー平等に関する目標はとても注目はされており、SDGsでも重要な課題となっています。

また、上記の2つの目標のみでなく17の目標のほとんどに影響があるとされており、フェミニズムは個人のレベルではなく世界的な大きな取り組みとなっているのです。

フェミニズムの歴史:日本と海外の違い

具体的に日本と海外ではどのようにフェミニズムが行われてきて、それぞれにどのような課題があるのでしょうか?

日本と海外をそれぞれ見ていきましょう!

日本のフェミニズム運動:いつから発生し、どんな影響があったか

日本のフェミニズムは19世紀後半の江戸時代末期に始まりました。

ちょうど、明治維新(1868年)にて西洋の文化や思想が国内に広まったのをきっかけにフェミニズムの運動は勢いを増しました。

その後、ジェンダーに関わらず政治に関わることが可能となったり、夫婦の制度が改正されたりとさまざまな影響を生みました。

しかし、日本は世界的に見るとジェンダーに対する取り組みのレベルが極めて低いと言えます。

その結果として、2022年に報じられた男女格差を示す指標であるジェンダーギャップ指数において日本は世界146カ国中116位という結果となりました。

また、G7内では最下位という残念な結果でした。

この課題を解決するために検討されている打開策が、クオータ制の導入です。

クオータ制とは、性別や人種、宗教などを基準に、一定の比率で少数派や弱者側の集団に人数を割り当てる制度のことです。

日本ではなじみがない制度ですが、世界では国会議員に関してクオータ制を導入している国は100カ国以上あります。

また、政治の変革だけでなく最も大切なのは市民の一人一人が意識を変革することです。

海外のフェミニズム運動:その歴史と影響

海外でのフェミニストの運動は4つの波があったと言われています。

始まりは19世紀から20世紀初頭の女性参政権運動でした。

その後、第2の波である「ウーマン・リブ運動」、個性と多様性に焦点を当てた第3の波、SNSでセクシャルハラスメントに戦う運動が行われた第4の波がありました。

第4の波ではSNSで#MeTooというハッシュダグを利用して主張をする運動がアメリカを中心に行われました。

このような運動が行われていてもいまだに世界では多くの課題があります。

一方で、ジェンダーへの理解が進んでいる国では、教科書で今まで男性がする仕事だと認識されていた職業に女性を用いて描いています。

このように、国や地域により現状や課題はさまざまであり国際的にジェンダー平等を達成するにはまだまだ課題があります。

まとめ

日本は、フェミニズムの取り組みに関して世界と比べて優れているわけではありません。

ただ、近年は海外の運動から良い影響を受け、国内でもジェンダーに対する活動が積極的に行われています。

もちろん、政治・経済分野での課題を解決することは大切ですが、自身が身近な問題と結びつけて考えることが最も重要です。

そのように考えることで、フェミニズムに対して積極的に知るようになり、その結果、行動につながることになるでしょう。

フェミニズムは、誰もが差別なく自由な暮らしを実現するために重要な取り組みです。

海外や他人の問題と認識するのではなく、一人一人の問題として意識しましょう!

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女性兵士という職業|歴史や活躍、背景を知りたい!

平和な日本において、「女性兵士」という職業について、選択肢を挙げる人は少ないのではないでしょうか。

しかし、国によっては自ら志願し、活躍している女性もいます。

また、ロシアによる侵攻が長期化する中、ウクライナの軍では女性兵士が増えたという現実も見過ごしてはいけません。

多様性がクローズアップされる今だからこそ、女性が兵士という職業に就く現状に向き合ってみませんか?

これから、女性兵士の歴史や活躍について触れていくのでぜひチェックしてみてください。

女性軍人と女性兵士の定義と歴史

「兵士」という存在自体に馴染みがない方もいるはず。

そこでまずは、「女性軍人」と「女性兵士」の定義や歴史についてまとめました。

女性軍人、女性兵士とは

実は、女性軍人も女性兵士も「軍役に従事する女性」です。

厳密には以下のような違いがあります。

軍人:軍隊に属する者の総称。

兵士:軍隊で士官の指揮を受ける階級の軍人のこと。

軍人の階級によって、兵士と呼ばれる女性がいるということですね。

女性軍人と女性兵士の歴史

女性軍人を語るに欠かせないのが、アメリカ軍の存在。

第一次世界大戦中、アメリカ軍においては約2万2000人の女性が従軍しました。

多くは陸海軍の看護部隊に看護師や助手という役職。

さらに海軍では1万1000人が事務員や通信士、トラック運転手などとして働いていたそうです。

先述のように当初、女性軍人は任務を制限され、前線で戦うことはありませんでした。

それが歴史を経て2015年になると、戦闘を含む軍の任務も女性が遂行できるよう解禁。

現在、アメリカ軍において、女性軍人の存在は不可欠とも言われています。

女性兵士の活躍やメリット

「女性兵士って活躍されているの?」という点も気になるところですよね。

ここでは活躍、また女性が軍人であるメリットについて注目しましょう。

女性兵士の活躍が見られる国

女性兵士の活躍が見られる国といえば、歴史に触れた際登場したアメリカが挙げられます。

また、軍における女性の従事、採用の割合に増加が見られるのが以下の国です。

・カナダ

・ハンガリー

・オーストラリア

・ラトビア

・ギリシャ

・ブルガリア

とくにカナダでは配置制限も解放され、全ての職種に女性が就けるようになっています。

海外では軍隊のダイバーシティが加速傾向にあるようです。

女性兵士が男性兵士と違って活躍できる場面

軍隊の任務で女性が活躍できる場面も、どこなのか気になるところですよね。

実際には、現地女性とのコミュニケーションがスムーズになり、情報収集が容易になったという場面があったといいます。

相手や状況にもよりますが、女性が対応してくれると話しやすいと思うことがありますよね。

男性ではなく女性だからできることが、軍の業務においてもあるようです。

女性兵士の存在がもたらすメリット

女性兵士が活躍できる場面があるように、その存在が以下のようなメリットとなります。

・現地女性や子供から情報収集しやすい

・威圧感が和らぐ

・兵力の増加

女性兵士の活躍が広がると、さらにメリットも増えていきそうですね。

日本の女性軍人

これまで海外の女性軍人事情に触れてきましたが、日本でも歴史や活躍があります。

さっそく日本の女性軍人について、チェックしていきましょう。

日本における女性軍人の歴史

太平洋戦争では、陸軍・軍司令部に女性の存在がありました。

「女子通信隊」と呼ばれるその女性たちは、試験に合格した後本格始動。

各地から司令部に集まる情報を迅速かつ正確に処理するという、極めて重要な任務を遂行していました。

男性兵士と同様に厳しい勤務に当たっていたが、身分としては「軍人」ではなく「軍属」だったといいます。

軍属とは、軍に雇用された民間人のこと。

当時の価値観において、軍人としての動員は厳しいという背景があったようです。

また、女性だけの部隊があったことはあまり周知されていませんが、軍事服に身を包み、軍事機密を扱う女性の姿があったことは事実として今も語られています。

戦地での女性兵士の活躍

女性兵士は戦争が終わらない現地でも活躍しています。

ニュースでも度々取り上げられていますが、戦地でどんな動きがあるのか、ここでチェックしてみましょう。

戦争中のウクライナでの女性兵士の活躍

ロシアの侵攻を受けるウクライナで、女性兵士の活躍について注目されることがあります。

女性の従軍は5万人以上といわれ、そのうち5000人以上は兵士として前線に立っているという現状があるようです。

女性比率は欧州各国の中でも高く、その背景には兵力の不足があるといわれています。

長い兵士不足の解消のため、女性の採用を開始するというニュースも聞いたことありませんか?

狙撃手部隊とドローン部隊という、所属を明確にした上での募集でした。

それ以前からも、医療や料理に関する任務に就く女性も確認されています。

女性兵士が死亡…取り巻く問題

女性兵士が従軍するには、様々な問題があることも事実。

前線で戦う女性兵士には負傷、死亡する危険性があります。

また、性暴力の被害も問題視されているのです。

女性の活躍が取り上げられる中、悲観的なニュースがなくなる目処は今の所見えていません。

まとめ

女性兵士という職業に就く、という選択肢は海外の方が広がっているようなデータがあります。

自ら志願する女性も、実力で男性と同等に評価される環境の中、活躍を見せる方がいるようです。

ただ、ロシアの侵攻を受けるウクライナでは、女性兵士に取り巻く問題も挙げられます。

メリットがあるだけではないからこそ、女性が兵士という職業に就くということに、社会全体で向き合うことが必要となってくるのではないでしょうか。

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