教育

海外のSDGs教育事例に学ぶ、持続可能な開発までの道のりとは?

2015年に国連にて採択されたSDGsは、2030年を達成期限とする17のゴール、169のターゲットが定められています。

それらは、「持続可能な世界を実現する」という目標を達成するために細分化された内容です。

SDGsを実現するために世界ではどのような課題の解決に取り組んでいるのか。

また、日本はどのような取り組みを行うべきなのか。

SDGsの目標4の教育に注目して見ていきましょう!

SDGsと教育:世界と日本の取り組み事例の深掘り

SDGsには17の目標が設定されています。

その中で、教育に関する目標が4つ目の目標です。

SDGsによる教育の目標は具体的にどのようなことなのか。

また、現在先進国と発展途上国とそれぞれが直面する課題とはどのようなことがあるのか。

本章では、SDGsの目標4について詳しくご紹介します。

SDGsとは何か:教育目標SDGs4の解説

SDGsの4つ目の項目である「質の高い教育をみんなに」とは下記のことを指します。

すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

引用;一般社団法人 日本SDGs協会

https://japansdgs.net/target04/

2030年までにすべての男女が無償で初等・中等教育を修了することを第一の目標としています。

目標を達成するために具体的に10の目標が設定されています。

その中にはジェンダーによる差別や貧困の差を無くすことも含まれており、それらは教育の推進につながるとされています。

教育でSDGsを達成するための課題と解決策

課題は主に発展途上国の教育現場に目が向けられています。

日本では、あまり考えにくいことかもしれませんが南アジアや南アフリカでは、約5,800万人が初等教育(小学校)を受けられない現実があります。

原因はさまざまですが、深刻な貧困や紛争地域であることなどが大きな原因です。

現在は、学校がない地域に校舎を建設したり、紛争などで壊れてしまった校舎を改修することが推進されています。

また、教科書や学用品を無償化するよう政府に呼びかける運動が行われ、貧困の差に関わらず平等に教育を受けることができる環境づくりが行われています。

先進国の教育の質を高める

発展途上国のみでなく、先進国でも教育の課題はあります。

特に日本では、国際的な教育のつながりや世界への関心が乏しいとされています。

そのため、2020年以降からは新学習指導要領として、持続可能な社会の創り手の育成とグローバル化への対応を踏まえた取り組みが組み込まれています。

これは、日本国内のことだけに目を向けるのではなく世界の課題と日本との関係について学び、積極的に自らの問題として受け止め解決に向けて取り組める人材の育成につながるとされています。

その結果、将来的に持続可能な社会づくりを実現する人材を教育により育むことが目標です。

SDGsと教育の未来:持続可能な開発目標の実現にむけて

SDGsの目標4の達成に向けて、具体的に何が行われていて、日本の教育にどのような影響を与えているのかを見ていきましょう。

手遅れになる前に、将来の担い手である子供たちの教育をどのように推進するのかがとても重要です。

現在行われている日本の教育現場での取り組み、目標をご紹介します!

持続可能な開発のための教育:未来への投資

前章でご紹介した新学習指導要領が大きな未来への投資の一つです。

新学習指導要領の具体的な取り組みが、ESDです。

ESDとは、Education for Sustainable Developmentの略で「持続可能な開発のための教育」という意味です。

ESDで目指すことは下記の通りです。

(1)持続可能な社会づくりの構成概念

  1. 多様性(いろいろある)

  2. 相互性(関わりあっている)

  3. 有限性(限りがある)

  4. 公平性(一人一人大切に)

  5. 連携性(力合わせて)

  6. 責任制(責任を持って)

(2)ESDの視点に立った学習指導で重視する能力・態度

  1. 批判的に考える力

  2. 未来像を予測して計画を立てる力

  3. 多面的・総合的に考える力

  4. コミュニケーションを行う力

  5. 他者と協力する力

  6. つながりを尊重する態度

  7. 進んで参加する態度

引用;文部科学省ホームページ

https://www.mext.go.jp/unesco/004/1339970.htm

これらを身につけることで、世界で起きている問題を自身の課題として捉え、解決に向けて積極的に行動する意識を持つ価値観への変容を引き出します。

達成可能な教育目標とそのための行動計画

では、具体的にどのような行動をすれば良いのでしょうか?

悩んだ際には、ユネスコ教育局が発表している行動計画を参考にしましょう。

持続可能な開発のための教育. ロードマップ

引用;UNESCO_

https://unesdoc.unesco.org/ark:/48223/pf0000384611

問題解決力や探究力を養うために、指導方法を改善することが重要です。

そのためにも、ESDを効果的に推進し学校経営方針や校内組織を整備して組織的に取り組むことが求められます。

教育は学校内だけで留まるものではなく、地域や企業とも連携を行い社会全体として持続可能な開発を実現するための教育が重要です。

まとめ

SDGsが発足された2015年から8年が経過しましたが、課題はまだまだあります。

しかし、何も解決できていない訳ではありません。

2020年以降にESDが組み込まれているように、発展途上国のみでなく先進国も課題の解決に向けて積極的に取り組みが推進されています。

発展途上国と先進国とでは、与えられている課題はそれぞれ違いますが、一人一人が自身の課題として考え行動することが求められます。

持続可能な開発に向けて、まずは現状を知り自分自身に何かできることがないのかを一度考えてみましょう!

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ハラール(ハラル)とは何?食べられないものや注目の理由とは?

最近、日本でもジワジワ注目を集めてる、ハラール(ハラル)フード。

スーパーなどでも目にするほど、身近になってきたものの、どういった意味があるのか知らない人も多いと思います!

今回はそんなハラール(ハラル)とは何なのか、食べられないものや注目の理由についてご紹介していきます!

ハラール(ハラル)とは?

では早速、ハラールについてご紹介しましょう。

ハラールとは、イスラム教の教えにおいて「許されている」という意味の言葉です。

言語はアラビア語で、英語表記はhalalとなり、ハラルとも呼ばれます。

ハラールは行動や行為、服装など全てを対象にしており、イスラム教徒はこのハラールを基準に、できること、できないことを意識して生活しています。

ちなみに、許されているハラールの反対に、「許されていない」という意味を持つ「ハラーム」も存在します。

最近、日本で注目を集めているのは、ハラールフード、つまり、イスラム教徒が食べてもいいと許されている食べ物のことです。

イスラム教徒の食べられないものは?

食べられるもの、食べられないもの…食べ物にはたくさんの種類があるため、覚えるのが大変ですよね。

そんな時は、ハラームフード、つまり食べることが許されていない食べ物を基準に考えるのが簡単です。

イスラム教徒が食べられないものの代表は、豚肉とアルコールです。

特に、豚肉に関してとても厳しい決まりがあります。

例えば、豚肉エキスの入ったスープはもちろん、豚肉が入った冷蔵庫で保管された食べ物や豚肉関係の餌・肥料を使った家畜、豚由来のタンパク質などが使われている医薬品や化粧品などもNGです。

豚肉が入った冷蔵庫で保管された食べ物に関しては、見た目では全くわからず、判別が難しい場合もありますよね…

そういった懸念のあるものや、成分が詳しくわからないグレーな食べ物などは、シュブハと呼ばれます。

イスラム教徒は、そんなシュブハも避けて食べないようにするそうです。

また、豚肉とアルコールの他にも、イスラム法に則って処理されていない食肉、血液、犬・かぎ爪のある動物の肉なども食べられないものとしてあげられます。

イスラム教徒の人は、食肉が食べられないイメージでしたが、イスラム法に則って処理されていれば、牛肉や鶏肉、羊肉もハラールフードに入るということですね。

ちなみに、イスラム法に則って処理をするための、ハラール食肉処理の資格が存在します。

有資格者が処理した食肉であれば、イスラム教徒の人も安心して食べることができますね!

ハラール(ハラル)が注目される理由は?

さて、決まりの多いハラールフードですが、どうして今日本で注目を集めているのでしょうか?

ここからは、ハラールフードが注目される理由を2つご紹介していきます。

① イスラム教徒が増加傾向だから

1つ目は、イスラム教徒が増加傾向にあるからです。

2015年の統計では、世界で1番多いのはキリスト教徒で、イスラム教徒は2番目に多く、全世界に約18億人も存在します。

また、今後も増加傾向にあり、2060年には、イスラム教徒はキリスト教徒とほぼ同じ数になると予想されています。

それを受けて、世界的にイスラム教徒のハラールフードを扱う飲食店が増加し、日本もインバウンドで観光客が訪れやすいように、ハラールフードビジネスに乗り出す企業が多く出てきました。

さらに言うと、日本に住むイスラム教徒の数も増えており、2020年末には約23万人、そのうちの約4万7千人が永住資格を持っています。

10年前に永住資格を持つイスラム教徒は、1〜2万人だったため、倍増していることがわかります。

時代の流れを考えると、ハラールフードが身近になるのも納得ですね!

② 健康的だから

2つ目の理由は、健康的だからです。

ハラールフードは、原材料や品質分析、衛生管理の認証基準が高く、高品質なものが多いと考えられています。

さらに、高栄養価で、ヘルシーなのも特徴です。

こんなハラールフードの健康的な部分に着目し、特に健康意識の高い人の間で人気になっているのです!

野菜しか食べないヴィーガンも、最近よく耳にしますが、やはりお肉やお魚もバランス良く食べないと健康的とは言えません。

ハラールフードは、豚肉には厳しい決まりがありますが、牛や鶏、羊、魚は食べることができるため、バランスの良い食事が可能になります。

以上2つの理由で注目を集めるハラールフード。
メリットも多いですし、生活に取り入れたくなってきましたよね!

安全なハラールフードの選び方は?

では、最後に安全なハラールフードの選び方についてご紹介して終わりたいと思います。

ハラールフードには、本物であることを表す「ハラル認証」という証明があります。

「ハラル認証」は1970年にマレーシアで始まった、ハラールフードであることを保証する制度です。

製造する施設や設備、使用する原料が常にハラールであることがチェックされ、さらに現場で働く従業員らがハラールを理解しているかも確認されます。

厳しい条件で通過したものだけが、「ハラル認証」を手にすることができるため、イスラム教徒の人も安心して食べることができます。

この「ハラル認証」があるお店や商品には、このようなマークがつけられています。

(引用元:https://jhba.jp/halal/certification/

マークには種類があるようですが、アラビア語のハラールと書かれている点で共通します。

身近なところでは、全国に店舗展開する「業務スーパー」で数多くのハラールフードが取り扱われており、ハラル認証マークも見ることができます。

「お店に行って食べるには勇気がいる…」

そう感じる人はスーパーで買って味を確かめてみてください!

まとめ

今回はハラール(ハラル)とは何なのか、食べられないものや注目の理由についてご紹介しました。

ハラール(ハラル)はイスラム教の教えにおいて「許されている」という意味のアラビア語で、ハラールフードはイスラム教徒が食べてもいい食べ物のことを指します。

食べられないものは「ハラームフード」と呼び、代表的なものに豚肉とアルコールが挙げられます。

日本で注目されている理由は、イスラム教徒が増加傾向にあるからと、健康的だからです。

きっとこれから日本でも、ハラールフードはインド料理のようにポピュラーな食べ物になると思います。

健康的なのが大きなメリットですよね!

まだ知らない人も多いので、ヘルシーなハラールフードを生活に取り入れて、トレンドを先取りしていきましょう!!

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