ジェンダーレストイレとは?日本と海外を比較!2024年の現状は?

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昨今では、ジェンダーレスの考え方が広まっています。

ジェンダーレスの考え方が広まるにつれ、既存のトイレだけではなく、ジェンダーレスを取り入れたトイレが国際的に設置されています。

ジェンダーレストイレは、日本や海外でどのように取り組みが行われているのでしょうか。

現在、問題視されている課題点も合わせて見ていきましょう。

ジェンダーレストイレとは何か:理解と知識を深める

ジェンダーレスとは、男性・女性といった性別の考え方に捉われない考え方を意味します。

「LGBTQ」などが代表的な例です。

LGBTQは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クエスチョニング、クィアの5つの頭文字から作られた言葉です。

ジェンダーレストイレとは、ジェンダーレスに利用ができるトイレです。

つまり、性別に関わらず利用ができるトイレを意味します。

「ジェンダー」「トランスジェンダー」など、ジェンダーレストイレを理解するための用語解説

ジェンダーレストイレを理解するためにもジェンダーレストイレに関わる用語をご紹介します。

・ジェンダー

生物学的な性別(セックス)ではなく、社会的、文化的に形成される性差を指す言葉です。

・ジェンダー・バイアス

社会的、文化的に形成される性差や男女の役割などに対する固定的な思い込みや偏見、差別のことです。

・ジェンダーレス

社会的、文化的な性差をなくすことです。

・ジェンダーフリー

誰でもジェンダーによる区別を受けることがなく、個々が自由に能力を発揮したり、選択したりできることです。

ジェンダーレストイレの問題点と改善の提案:不安や課題を解明

一見すると現代的で多様性に長けているジェンダーレストイレ。

しかし、誰でも気兼ねなく利用ができるという便利さを持つ一方、さまざまな課題も表面化しています。

ジェンダーレストイレの問題点:待ち伏せやプライバシーの侵害について

ジェンダーレストイレ設置の最も大きな課題とされているのが、プライバシーの問題です。

誰でも気兼ねなく利用することができる反面、誰でも利用ができるために他者との距離が密接になってしまいます。

そのため、不安感を抱く方が多くいるのが現状です。

また、日本ではあまり問題視はされていませんが、国際的に見ると宗教や文化の問題も挙げられます。

宗教によっては、性別の考え方はとても厳しく、密接に接することを厳しく禁じている宗教もあります。

そのような宗教とジェンダーレストレイが混じり合うことは、かなり困難かもしれません。

安心のための対策

上記でご紹介したプライバシーに関する課題の改善策として取り入れられているのが、設計によるプライバシーの確保です。

一つ目は、トイレ内の動線を両通行にするのではなく、入口と出口を決めて一方通行にする方法です。

そうすることにより、他人とのすれ違いや顔合わせを減らすことが可能です。

二つ目は、意図的に死角を作り、個室に入室したことを他者から見えにくくする方法です。

また、一部施設では個室の入室情報が事前に分かるシステムが導入されており、個室前で待機しなくて済む設計が施されています。

ジェンダーレストイレの現状

ジェンダーレストイレの意味と課題点をご紹介しました。

それでは、日本と海外では、具体的にどのような取り組みが行われているのでしょうか?

事例をあげてご紹介します!

日本でジェンダーレストイレが設置されている場所

それでは、具体的に日本国内のどこにジェンダーレストイレが取り入れられているか見ていきましょう。

・渋谷ソラスタ

引用元:TOTO株式会社

https://jp.toto.com/com-et/jirei/2058/pdf/2058.pdf

男性トイレ、女性トイレはもちろんですが、オールジェンダートイレも設置をしており、利用者が利用したいトイレを選ぶことができるようになっています。

・LIXILオルタナティブ・トイレ

引用元:LIXIL株式会社

https://www.lixil.co.jp/ud/publictoiletlab/future/alternative/

オルタナティブトイレとは、全てを男女共有にするのではなく空間設計を駆使してエリア別、状況別に男女共有のトイレを実現する方法です。

また、老人や車椅子利用者にも配慮がされており、性別のみではなく身体的にも配慮がされています。

海外でジェンダーレストイレが設置されている場所

日本と比較して、海外ではどのようなジェンダーレストイレが設置されているのでしょうか。

実際の事例を見ていきましょう。

・AMERICAN FOLKART MUSEUM

アメリカの美術館内にあるトイレであり、「誰でも利用ができる」と看板があるトイレです。

個室の中には小便器と大便器の両方が設置されています。

ジェンダーレストイレなのに、小便器が設置されている理由は、節水と気軽に利用を促すための意図があるようです。

引用元:Dresser Johnson

https://www.linkedin.com/pulse/pictograms-signage-american-folk-art-museum-kevin-dresser

・Whitney Museum

こちらも、アメリカの美術館に設置されているジェンダーレストイレです。

このトイレの特徴は、看板にピクトグラムというトイレマークを使用せずに、文字だけで看板を表示していることです。

これには、マークなどの抽象的な表現を避けて直接的な表現をするべきである、という意味が込められています。

引用元:Artnet News

https://news.artnet.com/art-world/brian-boucher-10-things-you-should-be-excited-about-at-the-new-whitney-museum-291664

まとめ

ジェンダーレストイレは、現代の考え方に合わせた新しい取り組みである一方、地域性や文化背景による課題や、プライバシーの保護に対する問題が存在します。

マイノリティの人も、そうでない人も、心地よく利用できるトイレの設計に今後も様々な工夫がされていくことでしょう。

今後は、日本でも目にする機会が増えそうです。

みなさんは、ジェンダーレストイレに関してどう思われますか?

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