

建築産業でもサステナブルな取り組みは行われており、その代表例がサステナブル建築です。
サステナブル建築は日本の伝統的な建物から世界の近代建築までさまざまな建築物に活用されています。
また、建築の価値自体をサステナブルの観点から評価する傾向も増えてきました。
デザイン性のみでなく、サステナブルな要素が建築にも必要不可欠になりつつあります。
日本と世界のサステナブル建築をそれぞれ見ていきましょう!
サステナブル建築とは?

サステナブル建築とは、建物自体のライフサイクルから二酸化炭素の排出量を削減し、環境問題に貢献できる建築のことです。
また、地域特有の風情や文化とも調和が可能な建築でもあり、長期的に快適に過ごすことが可能となる建築です。
建設に関わる設計・施工・運用の全ての段階で、環境に配慮がされた取り組みです。
世界の美しいサステナブル建築の紹介
世界各地の有名なサステナブル建築事例
1. BEEAHグループ本社(アラブ首長国連邦)
引用元;architecturephoto.net
https://architecturephoto.net/143549/
BEEAHはリサイクルやクリーンエネルギーなどの事業で環境問題に積極的に取り組んでいる会社です。
BEEAHグループ本社は、ネットゼロ・ビルディングと言われる、二酸化炭素排出量を実質ゼロでの運用が可能な建物です。
砂漠地帯に位置するにも関わらず、強化パネルで日射を抑え、構造床や壁とガラスの工夫により室内の温度を快適に保つことができます。
また、日射が強い砂漠地帯のためソーラーパネルから多くのエネルギーが得られます。
2. TECLA(イタリア)
引用元;Mario Cucinella Architects
https://www.mcarchitects.it/en/projects/tecla-technology-and-clay
TECLAは世界初の3Dプリント住宅です。
素材として利用されるのは主に、現地で取れる土であり約200時間で建設が可能です。
素材を現地調達でき、自然素材であるため建設工程に発生する排出ガスを大幅に削減できます。
3. オリンピック・ハウス(スイス)
引用元;CentralDesign
https://3xn.com/project/ioc-headquarters
国際オリンピック委員会(IOC)本部の建物です。
オリンピックマークをモチーフにして作られた、らせん状の階段が印象的な建物であり、空調設備は設置されていません。
空調設備の代わりに近くの湖から汲み上げた水を活用し、ヒートポンプシステムで館内の温度を調整しています。
日本の注目サステナブル建築事例
1. 箱根ラリック美術館(神奈川)
引用元;箱根ナビ
https://www.hakonenavi.jp/spot/1226
箱根ラリック美術館はサステナブル建築の取り組みが多く施されています。
・LEDを採用し、電力消費量の削減と動植物への刺激を削減
・景観を守るために建物の高さを配慮
・地域の特性を活用し自然換気システムを取り入れ、空調設備により発生する電力の削減と排出ガスの削減
2. 中尊寺本堂(岩手)
引用元;中尊寺
https://www.chusonji.or.jp/around/index.html
改修工事にてサステナブル建築を取り入れた事例が中尊寺本堂です。
耐震機能を向上するために行われた改修工事では、外観を損なうことがないように改修が行われました。
建て替えなどを行うのではなく、外観を保ったままで改修されたことが評価されています。
3. 西南学院小学校
引用元;学校法人西南学院
https://hs.seinan.ed.jp/
大きな吹き抜けを取り入れることで自然の光を最大限に活かし照明の電力を削減してるサステナブル建築です。
日差しが入りにくいエリアにはセンサー照明を設置し、学生への負担にも配慮がされています。
また、換気口の設置に工夫をし、外の風が少なくても室内の換気を快適に行える設計が施されています。
まとめ

世界の炭素排出量の約40%が建設産業関連だと言われています。
また、空調設備や電気などのビルの運用や資材の施工などでも多くの有害ガスを排出しています。
これらの問題を改善するために、資材の選定から、どのような設計にするのか、建設後の運用で環境に配慮した設備をどのように投入できるのかなどを検討する必要があります。
その際に、活用できるのがサステナブル建築という取り組みです。
サステナブル建築は近代建築だけではなく歴史的な建築にも応用が可能です。
一風変わった他にないデザインが人気であった建築から、長期的な持続ができ、環境に配慮がされた建築が求められている社会へと変わりつつあるのです。