
皆さんはホッキョクグマを見たことがありますか。
大体の方が動物園でしか見たことがないでしょう。
それくらい日本人にとって遠い世界の動物ですが、そんなホッキョクグマが絶滅の危機に立っていることは多くの人に知られています。
しかし、詳しく知っている方はまだ少ないのが現状です。
今回はホッキョクグマが絶滅の危機であること、さらにその原因とホッキョクグマを守るべき理由、保全活動や私たちができることについてをご紹介していきます。
ホッキョクグマが絶滅の危機にある?現状は?

まずは、ホッキョクグマの生態から絶滅の危機にある現状についてご紹介しましょう。
ホッキョクグマの生態
ホッキョクグマは、北アメリカ大陸北部やユーラシア大陸北部などの北極圏に住んでいます。
生涯のほとんどを海に浮かぶ氷の上で過ごし、泳ぐことも得意です。
肉食性でアザラシや魚、鳥、漂流したクジラの死体などを食べます。
冬から春にかけてホッキョクグマは氷上で狩りを行い、たくさんのアザラシを食べることで栄養を蓄えます。
夏から秋までは海氷が溶けるため、北極海沿岸部の陸地へと住処を変えます。
その間は餌であるアザラシを食べることができないので、ホッキョクグマは絶食状態で過ごし、また氷ができ始めると海氷の上に戻っていきます。
ホッキョクグマ絶滅の現状
そんな生態を持つホッキョクグマは国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種に指定されています。
現在の推定個体数は26,000頭で、学術誌「Nature Climate Change」に発表された研究によると、2100年までに数体しか残らないと言われています。
このまま何の対策もしなかった場合、私たちの孫やひ孫はホッキョクグマを絶滅した動物として認識するかもしれません。
それはとても悲しいことですよね。
ホッキョクグマ絶滅の原因や守る理由は?

さて、ここまででホッキョクグマの生態から絶滅危機の現状をわかってもらえたでしょう。
ここからは、ホッキョクグマが絶滅の危機に立っている原因、ホッキョクグマを守るべき理由についてご紹介していきます。
① ホッキョクグマ絶滅の原因は地球温暖化
まずは、ホッキョクグマが絶滅の危機に立っている原因を説明します。
多くの方がご存知かと思いますが、その原因は地球温暖化です。
よくこんなイラストやイメージ画像を見かけますよね。

冒頭で説明した通り、ホッキョクグマはほとんど海氷の上で生活しています。
栄養を蓄えるためのアザラシ狩りも海氷の上で行います。
しかし、地球温暖化によって海面の気温が上昇し、海氷が溶ける時期が早まっていると言われています。
それは、ホッキョクグマが狩りをする期間が短くなることを意味します。
また、生まれたばかりの子グマは母親の母乳から栄養を得ます。
母クマは夏から秋までの絶食期間中も子グマに母乳を出し続けるのですが、そもそも母クマが十分なアザラシを捕食できていなければ母乳の出が悪くなり、生き残ることができない子グマも出てきてしまうのです。
子どもが誕生しても、成長していくことが難しい状況にあるのですね…
② ホッキョクグマを守る理由は何?
これまでホッキョクグマ以外の動物も数多く絶滅危機に陥り、実際に絶滅してしまった個体も多くいます。
しかし、ホッキョクグマの絶滅については多くの人が対策を練って、守ろうと取り組んでいます。
その理由はどこにあるのでしょうか?
それは、ホッキョクグマの絶滅危機の理由が人間が原因の地球温暖化にあるためです。
さらに、ホッキョクグマが絶滅することで、餌であるアザラシが何らかの影響を受け、またその餌である動物が影響を受けるという風に、生態系の乱れがどんどん繋がっていってしまうことも危惧されています。
生態系を乱させないように、人間が原因となる地球温暖化を止める必要があります!
ホッキョクグマ絶滅の保全活動は?私たちにできることもある?

では最後に、ホッキョクグマ絶滅を止めるための保全活動、さらに私たちができることをご紹介していきます。
ホッキョクグマ絶滅危機の原因である地球温暖化の対策は、数多くの企業が行っています。
例えば、省エネや廃棄物を減らして温室効果ガスの抑制をはかったり、環境に負担のかからないエネルギーの開発などです。
また環境面とは別に、ホッキョクグマの狩りを規制、さらに、ホッキョクグマの毛皮などの狩猟記念物を輸出入できないようにするなどの規制を行っています。
これらの多くは企業や国ができる大きな対策です。
しかし、私たち個人でもホッキョクグマが絶滅しないために何かできることはないでしょうか?
1つ目は、節電です。
使っていないところの電気は消す、水を出しっぱなしにしない、ゴミを減らして使えるものは再利用するなど、ちょっとしたことで電気の消費を抑えます。
2つ目は、ホッキョクグマを応援する団体への寄付です。
寄付先は、例えば、グリーンピースという国際NGO団体、WWFという環境保全団体などがあげられます。
これらの団体は、ホッキョクグマの現状を調査したり、絶滅しないように周辺の環境に呼びかけを行ったりと活動しています。
もし寄付する場合は、その団体の活動内容をよく調べたうえで行いましょう。
自分の寄付金がホッキョクグマ絶滅を止める力になってくれたら嬉しいですね!
まとめ
今回はホッキョクグマが絶滅の危機であること、さらにその原因とホッキョクグマを守るべき理由、保全活動や私たちができることについてをご紹介しました。
ホッキョクグマの絶滅は多くの人が注目し、実際に研究でもこのままいくと数体しかいなくなると予想されていました。
その原因は、地球温暖化にあります。
私たち人間が招いた地球温暖化なので、ホッキョクグマの絶滅危機をそのまま放っておく訳にはいきません。
保全活動としては、地球温暖化対策、ホッキョクグマ狩りの規制などがあげられます。
そして、私たちは節電で地球温暖化が進むことを止め、可能な範囲でホッキョクグマを応援する団体に寄付などの支援を行いましょう。
ホッキョクグマがこれからもずっと北極にい続けることができるように、1人1人の行動が大切です。