生物多様性とは?重要性や危機についてもわかりやすく解説!

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環境問題が語られる時、よく耳にする言葉が「生物多様性」です。

何となく意味はわかるけど「生物多様性とは?」と聞かれると、答えに自信がない人がほとんどではないでしょうか?

今回は生物多様性とは何のことかを解説し、さらに重要性や危機についてもご紹介していきます。

地球に生きる全ての生物に関係する事柄なので、この記事をきっかけに、より興味を持ってもらえると幸いです!

生物多様性とは?

では早速、生物多様性についてご紹介しましょう。

生物多様性とは、地球に生きる全ての生物の繋がりを指します。

生物は地球上の長い歴史の中で、どんどん数を増やし、何百万もの種類が誕生しました。

それらの全てが直接的・間接的に繋がり、支え合って生きています。

生物多様性には、3つのレベルで分類される多様性が存在します。

① 生態系の多様性

1つ目は、生態系の多様性です。

生態系とは、その場所その場所に存在する生物や環境、それらが生きるために循環するシステムのことです。

地球全体には、それぞれの地域にあった生態系が多様に成立しており、そのことを生態系の多様性と呼んでいます。

② 種の多様性

2つ目は、種の多様性です。

地球上には、何百万もの種類の生物が生息しており、そのことを種の多様性と言います。

認知されている生物は約175万種ですが、それだけではなく、3000万種以上の未知種が存在しているという推測もあります。

③ 遺伝子の多様性

3つ目は、遺伝子の多様性です。

同じ種の生物であっても、個々では遺伝子が違い、見た目や声などに個性があります。

ヒトもそうですが、虫や貝でもそれぞれ柄が違うなど、多様性がひろがっており、そのことを遺伝子の多様性と呼びます。

生物多様性の重要性

次は、そんな生物多様性の重要性をご紹介します。

数多くの生物が多様に生きているおかげで、私たち人間も快適な生活を送ることができています。

例えば、魚を食べることができる、木材で家を建てることができる、空気を吸うことができる、綺麗な水を飲むことができるなどです。

これら生態系があってこそ受けられる恩恵のことを、生態系サービスと言います。

また、数多くの植物から取り出した成分から医薬品を製造し、その経済効果は何億円、何兆円にものぼります。

経済効果だけでなく、それで病気が治ったり緩和したりするのですから、生物多様性は人間にとって、とても重要で有難い存在であることがわかります。

しかし、残念なことに今、地球は生物多様性の危機に立っているのです。

生物多様性の危機

一体、どうして地球は生物多様性の危機に立っているのでしょうか?

それは毎年4万種もの生物が絶滅していると言われているからです。

この推定は生物多様性研究で知られるノーマン・マイヤーズ氏によって割り出されました。

恐竜が生息した2億年前には、1000年間に1種のペースで生物が絶滅し、100年前には1年間に1種、1975年には1年間に1000種、現在ではそのペースが加速し、1年間に4万種類の生物が絶滅しているそうです。

その原因は、私たち人間のこれまでの行動にあります。

例えば、土地を増やすために森林を伐採し、そこで生活していた虫や動物の生態系を乱しました。

また、ペットなどの目的で外国から動植物を輸入し、在来種の中に外来種が混在し、外来種が在来種を食べ尽くしてしまうなどの影響もあります。

逆に、人間が手を加えなくなったために生物が絶滅に近づいているパターンも存在します。

現代の自然離れから、人が里山に踏み入ることが減り、管理されずにこれまで保っていた生態系を乱す結果となったのです。

そして、地球温暖化による影響です。

気温や海水温の上昇、降水量の増加、台風の凶暴化などにより、生物たちに悪影響が出ています。

多くの生物種が絶滅することで、これまでの生態系が乱れ、将来的に今まで当たり前に食べていた魚が食べられなくなったり、木材で家を建てられなくなる可能性もあります。

これは絶滅する生物だけでなく、生き残る生物たちにも重大な危機と言えるのです。

私たちができること「MY行動宣言」とは?

生物多様性の危機に立っていることはわかりましたが、私たち個人ができることは一体何なのか…具体的に知りたいですよね。

環境省は、これら生物多様性の危機に対して、私たちができることを「MY行動宣言」と題して5つにまとめています。

Act1 地元でとれたものを食べ、旬のものを味わいます。」

https://undb.jp/action/

地元でとれたものを食べることで、地元の食べ物に興味を持つことができます。

さらに、生産者と消費者の距離を縮めようという地産地消の取り組みにも一致します。

Act2 自然の中へ出かけ、動物園・植物園などを訪ね、自然や生きものにふれます。」

https://undb.jp/action/

自然と触れ合うことで、生物多様性を身をもって体験することができます。

現代人の自然離れの解消にも近づけます。

Act3 自然の素晴らしさや季節の移ろいを感じて、写真や絵、文章などで伝えます。」

https://undb.jp/action/

誰かが誰かに伝えることで、自然の良さが多くの人に拡がります。

また、写真や絵、文章で記録することで、自然をより深く観察することに繋がります。

Act4 生きものや自然、人や文化との「つながり」を守るため、地域や全国の活動に参加します。」

https://undb.jp/action/

その土地その土地の文化に触れることで、多様な世界の存在に気づくことができます。

人と自然がともに生きていることを実感し、生物多様性への理解を深めます。

Act5 エコラベルなどが付いた環境に優しい商品を選んで買います。」

https://undb.jp/action/

環境に優しい商品を選んで買うことで、生物多様性を守ることに繋がります。

多くの企業や団体がエコ活動を行っていることを知ることができます。

これらの行動をすることで、生物多様性への理解を深め、生物多様性を守る意識を高めることができますね!

まとめ

今回は生物多様性とは何なのか解説し、さらに重要性や危機についてもご紹介しました。

生物多様性とは、地球に生きる全ての生物の繋がりを意味し、「生態系の多様性」「種の多様性」「遺伝子の多様性」という3つのレベルが存在することがわかりました。

生物は、たくさんの他の生物の存在によって生きており、人間もさまざまな生態系サービスを受けています。

しかし、年々生物は絶滅し、今、生物多様性の危機に立っています。

私たち個人でできることは生物多様性への理解を深め、周囲に伝え、エコな商品を利用する、活動に参加することです。

これからも生物多様性の有り難さを意識して、環境を大切にしていきましょう!

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