
ここ数年で一気に耳にするようになった「気候変動」という言葉!
どこか遠い国のお話…と感じていた人も、最近になってどんどん現実をおびてきたのではないでしょうか?
しかし、まだ実感のない人も少なくはないはず。
今回は気候変動で今現在、私たちがどのような影響を受けているのか、身近な具体例をあげてご紹介していきます。
「気候変動」について勉強し、今後の地球での暮らし方を考えていきましょう!
気候変動とは?原因は?

まずは、気候変動とは一体何を指すのかご紹介します。
気候変動とは、気温や湿度、降水量などの気候が変動していくことを言います。
名前の通りですから、きっと多くの人が理解していると思います。
ただ、気候変動がどうして起こるのか、原因を詳しく説明できる人は少ないかもしれません。
気候変動の原因は、2つ考えられます。
1つ目は、自然による気候の変化です。
地球は生きている惑星ですから、海からは水蒸気が出ており、火山活動も活発に行われています。
さらに、地球の周りをまわる太陽や月も常に活動しています。
これらが原因で、自然に気候変動が起こっているのです。
そして、2つ目は、人間による気候の変化です。
今、問題になっている原因はこちらですね。
人間が生活をするための、発電や物の生産、その物を運ぶ輸送、大量消費などによって温室効果ガスが排出されています。
その温室効果ガスが大きな問題なのです。
排出された温室効果ガスは地球を覆うように留まるため、地球上の熱を逃すことができなくなります。
よって、熱がこもった状態が続き、温暖化という気候変動へと繋がっていくのです。
これまでは産業の発展を優先するあまり、温室効果ガスの排出には注目が集まっていませんでした。
しかし、世界中の気候変動が顕著になった今、温室効果ガスの排出を減らす活動が各国で行われています。
とはいえ、私たち個人の中では、まだ危機意識の薄い人も多いと思います。
ここからは、気候変動がもたらす身近な影響について、わかりやすくご紹介したいと思います!
身近な気候変動の影響① 異常気象

1つ目の身近な気候変動の影響は、異常気象です。
例えば、年間の真夏日を見てみましょう。
気象庁のデータによると、1910年から1939年の間の真夏日の平均が35日間に対して、1990年から2019年の間の真夏日は約41日間と6日も増加しています。
さらに、これまでの観測史上最高気温の10位ランキングのうち、7つの記録が2018年以降に観測されたものでした。
最新情報では、今年(2023年)の7月に、東京都の猛暑日が最多を更新しています。
多くの人が実感している通り、実際に気温の上昇が見られており、夏の過酷さが高まっていることがわかります。
また、環境省によると、このまま何の対策もしない場合、21世紀末には東京都の年間真夏日が約103日間にもなると考えられています。
つまり、無対策だと1年の3分の1が気温30度以上の真夏になるということです。
暑いのはもちろん日本だけではありません。
世界的にも、NASAなどが今年の7月(2023年)は「1850年以降最も気温が高い月」だったことを発表し、特に南北アメリカ、北アフリカ、南極半島の一部が平年を約4度上回りました。
異常気象は気温だけでなく、台風にも影響しています。
気温が上がることで海面の水温も上昇します。そして、温かい海面が原因で台風の勢力が強くなり、しかも勢力が強まる位置が年々北上していると科学雑誌「ネイチャー」から指摘されています。
台風勢力が強くなる位置が北上する=台風が強い勢力を保ったまま日本にやってくることを意味します。
台風の数に変化はありませんが、近年、台風の勢力が強まっているのは、気候変動による異常気象が原因だったのです。
身近な気候変動の影響② 海面上昇

2つ目の気候変動の影響は、海面上昇です。
世界的に気温が上昇することで、北極や南極にある氷が溶け出し、海面の上昇に繋がっています。
IPCC第5次評価報告書によると、21世紀(1986〜2005年平均から2081〜2100年平均まで)の海面上昇の値は26〜82センチメートルと言われています。
これは海に囲まれた日本にとって、とても深刻な状況だと言えます。
それは海面が1メートル上昇することで、日本の9割の砂浜が失われると予測されているからです。
上記報告書の予想年まで、まだ時間があるとはいえ、未来の日本人が住む場所を失う可能性があると考えると、楽観視できるデータではないことがわかります。
身近な気候変動の影響③ 生態系の変化

最後3つ目の身近な気候変動は、生態系の変化です。
これは上記2つの影響から生まれる結果です。
気温と海面の上昇によって、多くの動物たちが絶滅の危機に立っています。
例えば、ホッキョクグマやコアラ、トナカイ、アオウミガメなどです。
私たち日本人からするとほとんどが動物園にいる動物なので、身近には感じられないかもしれませんが、絶滅の危機に立っているのは動物たちだけではありません。
植物も同様です。
日本で言うと、冷温帯で見られるブナ林(落葉広葉樹林)が減少し、アカガシなどの暖温帯林が増加します。そのことでブナ林を好む昆虫や貝類が一緒に減少していきます。
さらに、野生のツキノワグマもブナ林の実を食べ物としているため、ブナ林が失われることで食べ物を求めて、山の麓に降りてくる可能性が高まります。
そのことで人的被害や農作物の被害にも繋がりかねません。
生態系の変化は一見自分に影響が少なそうに見えますが、回り回って最終的には、人間の生活にも関係してくるのです。
まとめ
今回は気候変動で今現在、私たちがどのような影響を受けているのか、身近な具体例をあげてご紹介しました。
気候変動とは、気温や湿度、降水量などの気候が変動していくことを言います。
その原因の1つは、人間が排出した温室効果ガスと考えられています。
そして、身近な影響として「異常気象」「海面上昇」「生態系の変化」の3つをご紹介しました。
どれも人間や動物・植物にとって、とても重大な問題であることがわかってもらえたと思います。
これらの問題を遅らせるために、温室効果ガスの排出を減らすなど、何らかの対策が必要になります。
私たち個人には、まず知るということ、エコな商品を使用すること、無駄な消費をしないことなど、できることを意識することが大切です。