
地球温暖化などの環境問題に多くの人が興味を持つようになった今、世間のプラスチックに対する見方が大きく変わりつつあります。
プラスチックは便利である一方で、ゴミや環境汚染などの問題を抱えています。
そんな中、バイオマスプラスチックが注目を集めているのですが…詳しくご存知でしょうか?
今回はバイオマスプラスチックをわかりやすく解説!原料からデメリット、製品例についてもご紹介していきます。
バイオマスプラスチックとは?原料は植物?

では早速、バイオマスプラスチックについてわかりやすく解説していきましょう。
バイオマスプラスチックとは
バイオマスプラスチックとは、植物などの再生可能な資源を使用して作るプラスチックのことを言います。
大きなメリットは、CO2の排出量を抑えることです。
抑えるというか、植物は成長する過程でCO2を吸収するため、廃棄の際にバイオマスプラスチックが燃やされCO2が出たとしても、プラスマイナスゼロ、実質CO2を排出していないと考えることができます。
つまり、バイオマスプラスチックは温室効果ガスの排出をゼロに抑える目標であるカーボンニュートラルに貢献していると言えるのです。
さらに、一般的なプラスチックの原料である石油を使わずに済むため、大切な資源を守ることもできます。
バイオマスプラスチックはとてもエコで地球に優しいプラスチックと言えます。
しかし、バイオマスプラスチックは100%植物由来の製品と一部だけ植物由来の製品があるため、その部分は要注意です。
バイオマスプラスチックの原料
前述でバイオマスプラスチックの原料が植物であることがわかってもらえたと思いますが、具体的にどのような植物が使われているのでしょうか?
代表的なのが、サトウキビ、トウモロコシ、キャッサバ、トウゴマなどです。
多くはこれらの「非可食部分」、つまり、食べられない部分を使用して作っています。
この部分もとてもエコで、地球に優しい工夫が感じられますね。
バイオマスプラスチックとバイオプラスチックの違い

そんなエコなバイオマスプラスチックですが、とても似ている「バイオプラスチック」という言葉があることをご存知ですか?
言い方が違うだけ?と勘違いする方も多いと思いますが、じつは全く別の意味を持ちます。
バイオプラスチックとは、バイオマスプラスチックと、生分解性プラスチックのことを指します。
つまり、バイオマスプラスチックはバイオプラスチックの一種ということになります。
さらに言うと、生分解性プラスチックはバイオプラスチックの一種です。
こちらの図を見ると、とてもわかりやすいですね!

ちなみに、植物由来で生分解性の特徴を持つプラスチックは、バイオマスプラスチックでもあり、生分解性プラスチックでもあります。
バイオマスプラスチックのデメリットは?

前述を見ると、バイオマスプラスチックはとても地球に優しく、これからどんどん普及してほしいと思えますよね。
しかし、まだバイオマスプラスチックにもデメリットがあります。
ここからはバイオマスプラスチックのデメリットを3つ見ていきましょう。
デメリット① 価格が高い
1つ目は、価格が高いことです。
まだ普及していないため、大量生産の恩恵が受けられず、一般的なプラスチックと比較して最大5倍ものコストがかかってしまうそうです。
価格が高いと企業や一般家庭も導入しにくいですよね。
デメリット② 強度や耐熱性が低い
2つ目は、強度や耐熱性が低いことです。
最近ではバイオマスプラスチックも強度の強いものがたくさん登場しているようですが、一部まだ強度や耐熱性が低いものもあります。
長く使いたい商品に使えなかったり、温めることができなかったりする場合も考えられます。
デメリット③ 原料の調達
3つ目は、原料の調達です。
たとえ非可食部分を使っていたとしても、ほとんどのプラスチック製品がバイオマスに変わったとしたら、やはり原料の調達が難しくなってしまいます。
とはいえ、開発は日々進化しています。
普通は食べない植物を使用し、プラスチックを作るなど、研究が進んでいけばいいですね!
バイオマスプラスチックの製品例は?

では最後に、バイオプラスチックの製品例をご紹介しましょう。
気づいていないだけで、じつは身近でバイオマスプラスチックを使っていた!なんてことも…
製品例① 日用品
1つ目は、日用品です。
例えば、スーパーやコンビニのレジ袋!
セブンイレブンでお馴染みのセブン&アイグループでは、コンビニをはじめ系列のスーパーでも植物由来を30%使用したバイオマスプラスチックのレジ袋を使用しています。
製品例② 機械の部品
2つ目は、機械の部品です。
例えば、パソコンやスマートフォンの部品、自動車の部品などです。
大手機械メーカーのNECでは、すでにバイオマスプラスチックを数種類使用し、携帯電話やパソコンの部品としています。
製品例③ 特徴を生かした製品
3つ目は、特徴を生かした製品です。
例えば、バイオマスプラスチックを使った人工芝です。
環境に優しいのはもちろん、植物由来の人工芝なので天然芝に近い風合いを楽しめると好評のようです。
また、漁業で使うロープもバイオマスプラスチックで、さらに生分解性もできる素材が使われています。
それなら、もし漁業中にロープを紛失してしまったとしても、環境汚染にならずに済みます。
バイオマスプラスチック、さらに生分解性の特徴を生かした製品と言えますね!
まとめ
今回はバイオマスプラスチックをわかりやすく解説!原料からデメリット、製品例についてもご紹介しました。
バイオマスプラスチックは植物などの再生可能な資源を使用して作るプラスチックです。
原料はサトウキビ、トウモロコシ、キャッサバなど、デメリットは「価格が高い」「強度が低い」「原料の調達が不安」な点でした。
しかし、地球の環境を考えるとバイオマスプラスチックには今後もっと活躍してもらわないといけませんよね。
デメリットを改善できる開発が進むよう、応援しましょう!