世界で深刻な飢餓とは?定義や2023年の現状、対策は?

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日本では、日常的に食べ物が溢れており、飽食状態にあると言われています。

しかし、世界では飽食の反対「飢餓」がSDGsの目標の1つとなるほど深刻なんです。

今回は世界で深刻な飢餓とは?定義や2023年の現状、飢餓をなくすための対策についてご紹介していきます。

飢餓とは何?定義や現状は?

まず最初に、飢餓とは何を指すのか定義について、さらに2023年の現状をみていきましょう。

飢餓とは

飢餓とは、長期間にわたって満足な食事ができず、栄養不足が続き、生活ができない、または命の危機に陥っている状態のことをいいます。

国連世界食糧計画(WFP)では、以下のように定義付けされています。

身長に対して妥当とされる最低限の体重を維持し、軽度の活動を行うのに必要なエネルギー(カロリー数)を摂取できていない状態

引用:国連世界食糧計画
https://www.wfp.org/support-us/stories/donate?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=12712293304&utm_content=120989103775&gad_source=1&gclid=CjwKCAiAs6-sBhBmEiwA1Nl8s6KEvdeKZF_kp8xXzdpbvMyMRRsh08vTqOFMKAKDDnPwusDX9p2QLxoCHQ8QAvD_BwE&gclsrc=aw.ds

この飢餓は、SDGsの目標の1つ「2.飢餓をゼロに」で、世界的な問題として取り上げられています。

食品ロスが問題となっている日本では、聞き馴染みのない言葉ですが、その裏で、世界には飢餓に苦しみ、命を落としている人々がたくさんいるのです。

飢餓の現状

ここで、飢餓の現状をご覧いただきます。

国連機関の発表によると、2022 年の世界の飢餓人口は6 億 9,100 万〜7億 8,300 万人と推定されました。

新型コロナ流行により1億人近くが増加、今後も高止まりが予想されている状況です。

この飢餓人口の現状は、世界を40人1クラスの学級だと例えると、その中の4人が明日食べ物があるかわからない状態ということです。

とてもショッキングな現状であることがわかりますね。

飢餓の原因は何?

そんな飢餓の原因は一体どこにあるのでしょうか?

ここからは飢餓の原因をいくつかご紹介していきます。

紛争

まず1つ目は、紛争です。

世界では多くの紛争が行われています。

紛争が起こると、農作物を育てることができなくなります。

さらに、農地からも追い出され、食べ物を得る手段を失います。

仕事もできないため、収入を失い、食べ物を買うこともできなくなり、飢餓に陥ります。

国連機関は2017年に、10年以上減少傾向にあった飢餓が増加に転じた理由として、紛争をあげています。

気候変動

2つ目の原因は、気候変動です。

気候変動で、干ばつによる砂漠化、害虫の大量発生、洪水など、さまざまな災害が起こり、農作物を作ることができない地域が出てきたのです。

そうなると食べ物を得る手段として、輸入のみに頼ることになり、供給が不安定な状態になります。

人口増加

3つ目の原因は、人口増加です。

上記の原因でただでさえ食べ物が少ない状況下で、人口が増加したことにより、さらに飢餓状態の人々が増えることになりました。

人口増加の理由は、医療の発達が1つだといわれています。

それは良いことなのですが、人口と同じく飢餓人口も増えてしまっているため、とても難しい問題といえますね。

貧困

そして4つ目の原因は、貧困です。

紛争がなく、農作物を自給できる地域でも飢餓はたくさん存在します。

その原因の多くは食べ物が買えない、貧困だと言われています。

貧困も飢餓と同じくSDGsの目標に入るほど、深刻な問題です。

ちなみに、日本の飢餓人口は、5.1%で20人に1人(2020年のデータ)、その原因のほとんどが貧困によるものと考えられています。

飢餓は世界のどこかの話ではなく、私たち日本人にもとても身近な問題なのです。

飢餓が多い国は?

お次は、飢餓が多い国についてご紹介します。

アフリカ

1つ目は、アフリカです。

アフリカの飢餓の理由は前述の「紛争」「気候変動」「人口増加」「貧困」全てに当てはまります。

サハラ砂漠以南のアフリカでは、特に飢餓が深刻で子どもが栄養不足で亡くなることも珍しくはありません。

「国際赤十字・赤新月社連盟」の2022年の発表によると、サハラ砂漠以南のアフリカでの飢餓人口は1億4600万人で、日本の人口を上回っています。

南アジア

2つ目の国は、南アジアです。

南アジアは食料自給率が高く、気候変動によって農作物が育たないという原因は多くありません。

しかし、貧困が深刻なため、食べ物が買えない場合が多く、飢餓状態に陥っています。

南アジアの中でも、特にインドに飢餓の人が多く、2018年には飢餓人口の4分の1がインドの人々だと言われていました。

飢餓をなくすためにできることは?

世界では、飢餓の人々が多く、とても深刻であることがわかりました。

では、今現在、飢餓に対してどのような取り組みが行われているのでしょうか?

最後に飢餓をなくすために行われている対策についてご紹介しましょう。

食糧支援

1つ目は、食糧支援です。

飢餓の人々には今すぐ食べるものが必要です。

そのため、緊急の支援として食糧を支援することが大切になってきます。

日本も国として、政府開発協力(ODA)で世界に支援を行っています。

日本の資金は、国連世界食糧計画(WFP)を通じて、飢餓に苦しむ人々へ食糧として届けられています。

個人での寄付を受け付けている団体もあるため、自分で何かしたい気持ちがある方は、よく調べた上で寄付を行ってみましょう。

食糧自給支援

2つ目は、食糧自給支援です。

例えば、アフリカで農作物を作ることができなかった人たちに、「ニュー・ライス・フォー・アフリカ」、通称「ネリカ米」の作り方を教えて食料自給できるよう支援した例もあります。

また、女性が農業できるように女性生産者のプロジェクトなども行われています。

食糧を支援することは大切ですが、支援が途絶えた時、また食糧に困ることになり、とても不安定です。

自ら食糧を生み出すための支援、これも食糧支援と同じくらい大切になってくるのです。

フェアトレード商品の購入

そして最後は、私たち個人でも手軽にできる支援の方法、フェアトレード商品の購入です。

フェアトレード商品とは、立場の弱い開発途上国で作ったものを、公平・公正な価格で購入できる商品のことです。

立場の弱い開発途上国の人は安い賃金で仕事をさせられ、安い金額でものを売っています。

それを適正な価格で購入することで、賃金も上がり、飢餓の原因になっている貧困を止めようという目的があります。

フェアトレード商品は、コンビニやスーパーなどで購入することができるため、私たちが手軽に行うことのできる支援といえるでしょう!

まとめ

今回は世界で深刻な飢餓とは?定義や2023年の現状、飢餓をなくすための対策についてご紹介しました。

世界で起こっている飢餓は、とても深刻で意外にも身近でした。

現状を知ると、いち早く飢餓をゼロにする活動を進めないといけないことがわかります。

さまざまな対策が行われていますが、私たち個人でも寄付やフェアトレード商品の購入など、できるところで支援を行いましょう。

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