異常気象や度重なる自然災害で、地球温暖化が身近に感じられるようになりました。

環境問題について調べると、よく見かけるのが「1.5℃目標」という言葉。

日本もそれに向けて、ある取り組みを宣言しているって知っていますか?

今回は「1.5℃目標」とは何なのか、達成できないとどうなる?これまでの気温上昇、日本の取り組んでいる内容などをわかりやすくご紹介していきます。

「1.5℃目標」について知ることで、地球温暖化への理解を深めていきましょう!

1.5℃ 目標とは

1.5℃目標とは、産業革命前の気温と比較して、地球の平均気温の上昇を1.5℃に抑えるという目標のことです。

では早速、1.5℃目標とは何なのか解説していきます。

多くの方が知っての通り、地球の気温は年々上昇しており、その影響で異常気象や自然災害、生態系の変化が起こっています。

気温上昇を食い止めることは、地球やそこに住む生物、私たち人間にとってとても重要です。

この1.5℃目標は、気候変動問題を世界規模で考える枠組み「パリ協定」で登場した言葉です。

1.5℃目標と似ている言葉で、2℃目標という言葉もあります。

2℃目標はパリ協定前の2010年「気候変動枠組条約第16 回締約国会議」で設定された目標です。

パリ協定でも当初は「気温上昇を2℃未満、できれば1.5℃未満に抑える」という幅がありました。

しかし、2021年の「気候変動枠組条約第26回締約国会議」で1.5℃に抑えるという、より大きな目標に変更され、今では1.5℃目標が世界目標となっています。

1.5℃ 目標が達成できないとどうなる?

ここで気になるのが、1.5℃目標が達成できなかった場合、どうなるのかという点です。

もし1.5℃目標が達成できず、平均気温が2℃上昇してしまったら、どうなるのでしょうか?

「気候変動に関する政府間パネル」によると、1.5℃上昇の場合と比較して、2100年までの世界平均海面が10cm上昇し、夏に北極海の海氷が消失する可能性が10倍高まります。

さらに、生息域を失う陸に生きる生物(昆虫、植物、脊椎動物)の割合が2割以上増えると言われています。

また、干ばつ被害により水不足を感じる人が50%増えることも予想されています。

環境省 2018年度 IPCC 「1.5℃特別報告書」の概要

引用:https://www.env.go.jp/earth/ipcc/6th/ar6_sr1.5_overview_presentation.pdf

他にも、今世界中で問題になっている山火事が、気温上昇によりもっと酷くなると考えられています。

例えば、山火事による焼失面積は1.5℃上昇と比較して、2℃上昇の場合、26%も多くなります。

現時点で大きな問題となっている山火事が26%も増加してしまえば、より多くの動物、人間が被害に遭うことになるでしょう。

1.5℃と2℃は、0.5℃の違いで、私たちにとっては大きな温度差は感じられません。

しかし、地球全体にとってはここまで違う重大な問題なのです。

これまでの気温上昇は何度?

ここまでで、地球の平均気温を1.5℃に抑える重要性がわかってもらえたと思います。

では、産業革命から現在まで、平均気温は何度上昇してきているのでしょうか?

EUのコペルニクス気候変動サービスなど、複数の研究機関の調査によると、2022年までの8年間が記録上最も暖かく、産業革命前の気温より約1.2℃上昇していることがわかりました。

また、日本の平均気温を見ると、1898年〜2014年の間に約1.15℃も上昇しています。

特に、1990年以降、高温になる頻度が高まっており、このまま行くとさらなる上昇が予想されています。

つまり、1.5℃目標に迫っている状況にあるのです。

さらに、2023年の世界気象機関(WMO)の報告書によると、66%の確率で2027年までに平均気温の上昇が1.5℃を超えると予想されています。

そのため、世界中で地球温暖化を止める対策がより一層、早急に必要になっています。

日本は2050年までにカーボンニュートラルを目標

では、私たちが住む日本では、1.5℃目標のため、どんな対策が行われているのでしょうか?

それは、2050年までのカーボンニュートラル実現です。

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを言います。

やむを得なく排出してしまった分は「吸収」または「除去」し、最終的にはゼロとなるように調整を行います。

また、それだけでなく、2030年までに温室効果ガスの排出を46%削減する、カーボンハーフも目標としています。

この2050年までにカーボンニュートラルを実現するという目標は、日本だけではなく、アメリカ、EU、韓国、カナダ、メキシコ、ブラジル、オーストラリア、イギリスなど、数多くの国で掲げられています。

ただ、カーボンニュートラル実現は簡単なことではなく、国はもちろん、多くの企業の協力も必要になります。

カーボンニュートラル実現のための具体的な対策は、太陽光、風力、水力などの再生可能エネルギーの利用、燃焼してもCO2が発生しない水素エネルギーの製造と活用、温室効果ガスの除去量を増やすCCS・CCUSの技術成長などが挙げられます。

国や企業だけでなく、私たち一般家庭でもCO2を出さない努力が必要になりますね。

1人1人は小さな対策ですが、多くの人が行えば、大きな対策へと繋がります。

まずは、興味関心を持つことが大切です。

まとめ

今回は「1.5℃目標」とは何なのか、達成できないとどうなる?これまでの気温上昇、日本の取り組んでいる内容などをご紹介しました。

「1.5℃目標」とは、地球の平均気温の上昇を産業革命前から1.5℃に抑えるという目標のことです。

達成できないと、地球上の生物に大きな悪影響が及び、0.5℃の違いで数倍の被害をもたらすことがわかりました。

しかし、これまでですでに約1.2℃上昇しており、2027年までに1.5℃を超えると言われているため、世界規模での早急な対策が求められています。

そして、日本では2050年までにカーボンニュートラル実現の目標が立てられており、それに向けた対策が行われています。

国や企業だけでなく、個人の興味関心、小さな工夫も地球の未来を救うことに繋がります。

個人でできるエコな工夫は、こちらの記事を参考にしてみてください!

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